ニキビ跡を残さず早く治す方法-皮膚科医がにきび治療を解説

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

今日は、お伝えしたいのはこちらです!!

1ニキビでお悩みな患者さんに見かける勘違い
2ニキビが治るのにどのくらい時間がかかるのか
3皮膚科で行うニキビ治療
4私たち医師が目指している治療のゴール

にきびって一つでもできるととっても憂鬱ですよね。

女性なら、メイクでもうまく隠せないし、落ち込みますよね。

しかも、忘れたころににきびってできるんですよね。。

ニキビでお悩みな患者さんに見かける勘違い

診察してると、たまぁに『気になって、ニキビをすぐ潰しています』っておっしゃる方がいます。

小さいにきびでもつぶせば治るって思ってる方がいるんですよね。。

皆さんは潰したいと思っていませんか??

自分でニキビをつぶしてしまうと、まわりの正常な皮膚まで傷つけてしまい、ニキビが悪化したり、痕(あと)が残ってしまう可能性があるため、やめてください!

炎症のある赤いニキビをつぶすことはもちろん、治療せずに放置すると、毛穴のまわりの組織も壊されてしまい、ニキビ痕として残ることがあります。

実はニキビ跡って言ってもたくさん種類があって、赤い色が残るもの、茶色の色素沈着、クレーターのように凹んだもの、皮膚の表面が盛り上がったものなど、ニキビ痕もいろいろあります

凹みが残ってしまうと、肌を元に戻すのはとても難しくて、「ダーマペン」といって、髪の毛より細い針で肌に穴をあけて、自分自身の治す力を利用して凹みを治す治療が必要になってしまいます。

塗り薬だけでの治療は難しく、そのほかの治療でも確実に治すことは難しいのが現状です。

あとはニキビパッチ貼っていたり・・ニキビの原因菌であるアクネ菌は嫌気性菌と言って酸素が好きなので、ニキビパッチで空気を遮断しちゃうとアクネ菌がより繁殖しやすくなってしまうのですよね・・だからニキビパッチは貼らないでほしいです。

あと、早く治したい方ってネットでググる人も多いと思うのですが、そうすると

「最速で最短でニキビを治す!」とか見るのですけど、にきびの治療を何千人もやってきた皮膚科医から言わせるとにきびってそんなに簡単ではないのですよ。

あと、患者さんって すぐに皮膚科に行けば治ると思っている方がいらっしゃったり、抗生剤飲むと治るから、「また抗生剤ください。」とエンドレスに欲しいという方もいらっしゃいます。。

そういうときは、本当に抗生剤が今、必要なのか・・抗生剤にも副作用があって、いいことばかりではないから 他の治療もしましょうねっとお話をします。

私たち皮膚科医も、皆さんのにきび早く治したいんですよ。

でも、皆さんの「治った!」と私達皮膚科医が「治った」っていうのが、たぶん全然違うのだと思うんです。

ニキビが治るのにどのくらい時間がかかるのか

とりあえず赤いニキビができなくなったら治ったって思っていませんか??

ごめんなさい。ニキビを治すのは、赤いニキビを治すだけではなく、その表面上だけではないのです。虫歯になったら、歯医者さんに行くけど、実は毎日正しい歯磨きをしていれば虫歯にならずにすみましたよね?

ニキビの原因となる「毛穴のつまり」を治さないと にきびが全然出来なくなって『治した』とは言えないのですなので、自宅で、歯磨きをするように、毎日、毛穴のつまりを取るくするを塗るってことが、ニキビを治す、唯一の方法だと思ってください。

赤いニキビを治す「ニキビを治した」は虫歯のようなもので、皆さんはそこを直せば治ったって思ってるかもしれないのですが、私達皮膚科医が「治った」と思っているのは、毛穴のつまりをなくして、ニキビができにくくなるために、毛穴のつまりを取り除いてもらっている状態を意味しています。。

ニキビの始まりは、小さな毛穴での皮脂のつまり。それは知っていましたか??

だから原因となる「皮脂のつまりの治療」に最低でも1年はかかるんです。それをお話すると「エッ?そんなに??」とおっしゃる方が多いのですが、残念ながらそうなのです。。

それが、皆さんと、ニキビを治す私達皮膚科医の認識の違いなのかなぁって思います。

それに、にきびが長引けば、当然にきび痕の赤みが続いて皮膚が 凹んでしまったり、ニキビっぽく見えてしまうのですよね。

ニキビ跡を作らないように治療するためには、ニキビを作らなくする、つまり、毛穴のつまりを治すってことがとっても大切なのです。

なので、ニキビを潰してほしいって方には、潰すのは応急処置であって、潰すという行為で赤みがひどく残ったりもするので、言い方は悪いですけどその場しのぎの治療で、おすすめしないときもあります。

ニキビ治療は、いざ皮膚科へ!!て言ってもこんなことで皮膚科にいってもいいの?って、ちょっぴり不安ですよね。

そこで安心して診察を受けられる様に、皮膚科で行うニキビ治療をお話します。

皮膚科で行うニキビ治療

よく皮膚科では、ディフェリンゲルやデュアック・ベピオゲルという塗り薬を使います。

まず、最初は、赤いニキビが気になると思うのです。このニキビ治療の急性期というのは数ヶ月ぐらいあってそこでは抗菌剤と毛穴のつまりを取る薬を使いましょう。

そこからだんだんと時間が過ぎて赤いニキビが出来なくなっていったら、抗生剤は使わなくなっていきますが、これで治療が終わりではないのです。ここが重要です。

毛穴のつまりを取る薬は「まぁ1年ぐらいは塗らないとだめだよ」ってことは皆さんも頭に入れておいてください。

あと抗生剤を塗ってても治らないよって方は、耐性菌ができてて、抗生剤が聞かなくなってる時があるので、くすりの種類を変えてみるのもいいと思います。

あとは薬の塗り方とかいつまでつけるのかをしらない方が多すぎます。

おくすりは持っているけど、なんのために薬を処方されて、どういう目的でいつまで塗るのかを自分で知らないで、いい薬を処方されているのにうまく使えていない方が多すぎます。

抗生剤を使っても、またニキビができちゃうよって方は、『毛穴のつまりをとる薬もつかってみたいです』って先生に伝えてみてください。

過酸化ベンゾイルというものだったりアダパレンっていう成分が入ってる薬になりますが、どちらも毛穴の詰まりをなくします。

ただどちらのお薬もピーリングの作用がある薬だからこそ副作用はあるのです。

だから最初はちょっとだけ塗ってそれを塗り拡げていくってやり方をしたり、毛穴のつまりを起こしにくい保湿剤と一緒に塗っていくとか、あまり乾燥やひりひり感が強いなら、数時間つけたら洗い流すって方法もあります。

私たち医師が目指している治療のゴール

私達皮膚科医が目指しているゴールは、今あるニキビを治すのではなく、ニキビができにくい肌まで持っていき、ニキビあとを作らせないようにすることなんです。だからどうしても1年以上かかってしまいます。

なので そんなに時間かかるの嫌だって思うかもしれないですけれどもニキビを間違った方法で直しちゃうと必ず赤みが残ったり皮膚が凹んでしまったりして、のちのち後悔することになるので、ちゃんと取り組んでほしいのです。

だから皆さんもそこだけは絶対に気を付けて下さい。

あと、皮膚科に行くと、「すぐにピーリングとか美容でお金がかかるんでしょ」って人もいますが、違うのです!!

まずは3割負担の標準治療と言われている保険診療をしっかりして、それでもどうにもならなかったら、健康保険外の自費の治療をすればいいのです。

だから、保険診療でいいので必ずクリニックに行ってください。

自分でも正しい知識を身につけていただき、ぜひ二人三脚で直していきましょう。いつまでぬるのかなど、不安なこと・わからないことはその場で聞いてください。

ニキビ跡を作らないような 適切な治療を進めていきましょう。

 

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