ニキビは市販薬でも治りますか?
病院で処方される薬の方が治りは早いですが
市販薬でも正しく選べば効果はありますよ
本当ですか!?教えてください!
みなさんこんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
今日お話する内容はニキビの市販薬の塗り薬についてです!!
「えっ!?ニキビって保険で治るの?ピーリングとき自費の治療だと思ってた!!」とおっしゃる方がおられます。
多くの患者さんがSNSや美容雑誌の影響で市販の化粧品をドラッグストアで購入したり、治らない時に美容専門のクリニックに行く方がいらっしゃいます。
一昔前は保険治療で抗生剤しかなかったので、炎症のある赤いニキビは治ってもニキビの原因である毛穴のつまりを取り除くことはできませんでした。
なので再発を防ぐことが難しかったのです。
毛穴のつまりを取り除くディフェリンゲルという薬が2008年に保険適応になり、2015年になるとベピオゲルがさらに保険適応の処方薬になりました。これによってニキビをできにくくするために毛穴のつまりを取るピーリングの薬が保険で処方できるようになりました。
このピーリングの薬は抗生剤とはちがって耐性菌の心配がないので長く使ってニキビをできにくい状態を保つことができます。
保険でニキビが治療が出来ることを知らない方が多くて、「保険でこんなにきれいになるなんて知らなかった!!」とおっしゃる方が多いのです。
本当は皮膚科で処方したの方が治りも早いですしその方に応じて薬を変えています。
でも忙しくて病院に来れないって方もいらっしゃるので、市販のニキビ薬の効果やお値段についても一度ご説明したいと思います。
1市販薬を選ぶポイント
まずはニキビの進行具合によってどの薬を購入するか変わります。
白ニキビと赤ニキビ両方ある人もいてニキビの状態は一つではないので、部位によってケア用品をかえることも大切です。
白ニキビ:ニキビの初期で毛穴が詰まっていて触るとなんかザラザラします。ニキビ菌の増殖による炎症にはまだ至っていません。
黒ニキビ:白ニキビの毛穴が開いて、詰まった皮脂が酸化して黒く変色した状態です。
ただイオウは臭いがあるので苦手に敏感な方はイオウが入っていないものを選びましょう。
殺菌成分のあるレゾルシン・イソプロピル メチル フェノール・クロルヘキシジンも効果を期待できます。
赤ニキビ:その名の通り赤くなっているニキビですが、ニキビ菌が皮脂を餌にして増えていき炎症が起こった状態です。
黄にきび:赤ニキビが進行した状態で、黄色い膿を持っています。
2クレアラシル
クレアラシルは有効成分は…
・角質を柔らかくするイオウ3%
殺菌作用のレゾルシン2%
・炎症を抑えるグリチルリチン酸 ニカリウム0,5%
・血行を良くするビタミンEのトコフェロール酢酸エステル0,5%
クレアラシルには白色タイプと肌色タイプがあって有効成分は同じですが、メイクで隠したいという方は肌色タイプを使った方がいいです。
メイクで隠してもいいのですが、メイクを落としきれず毛穴が詰まったままになっている方がいます。
落としきれないと毛穴が詰まってニキビが悪化しますのでご注意ください。
3エスカメル
エスカメルは有効成分が…
・角質を柔らかくするイオウ8%
・殺菌作用のレゾルシン2%
4ペアアクネクリーム
ペアアクネクリームWは…
・殺菌成分のあるイソプロピルメチル フェノール0,3%
・炎症を抑える作用のあるイブプロフェン ピコノール3%
ペアアクネクリームWは指に出したときは白色ですが、肌に延ばすと透明になります。
5アクネージュ
・殺菌作用のある ベンゼトニウム塩化物0,05%
・炎症を抑える作用のあるイブプロフェン ピコノール3%
・血行を良くするビタミンEのトコフェロール酢酸エステル0,5%
ペアアクネクリームWと同様に、肌に延ばすと透明になりますのでその上からメイクもできます。
6メンソレータムアクネス
・角質を柔らかくするイオウ3%
・殺菌成分のあるレゾルシン2%
・炎症を抑えるグリチルリチン酸 0,3%
・血行を良くするビタミンEのトコフェロール酢酸エステル 0,5%
このように大体の成分は殺菌成分・抗炎症成分・血行促進成分のトリプル処方がされていて、1本1000円くらいの値段で購入することができます。もし市販薬を使用する場合は、ご自身のニキビの症状に合ったものを選ぶ必要がありますので、ドラッグストアの薬剤師さんに相談するなど慎重に選ぶようにしましょうね。
7市販薬・処方薬のメリットデメリット
市販薬は肌の状態を整えてニキビの改善を促すのに留まります。
デメリットとしては、市販薬はどんな人が使っても安全であることが重要視されているので薬の有効成分含有量は少なめになっているものが多いです。
初期や軽症の段階で使用する目的で作られている為、効能が弱いということです
一方でクリニックで処方される薬は、抗生剤でアクネ菌の増殖を抑えニキビの炎症を改善します。
一番の大きな違いは市販薬の使用が少しでも改善を早めるためのケアであるのに対して、処方薬のディフェリゲル・ベピオゲル・エピデュオゲルはニキビの原因の毛穴のつまりにアプローチした根本的な治療と言えます。
クリニックに行くのは手間ではあるかもしれませんが、3割負担だとディフェリンは370円、ベピオ470円、エピデュオ550円で、診察料を含めても市販薬とそんなに差はありません。
しかも県によっては保険治療がお子さんは無料になる地域もありますので市販薬よりお得です。
市販薬でにきびがスッキリ治らない方はお近くの皮膚科を受診なさってみてくださいね。
動画でも解説していますのでご覧になってくださいね。