皮膚科での顎ニキビの治療方法
顎にニキビができている方は皮膚科でのニキビ治療をお勧めします。保険適応で治療ができます。
保険でできるニキビ治療
保険診療でできるニキビ治療では、塗り薬と内服薬があります。塗り薬では、ディフェリンゲルやベピオゲルが有名です。これらの薬は、毛穴の詰まりを防ぎ、アクネ菌を減少させる効果があります。
内服薬としては、抗生物質や漢方薬が処方されることがあります。保険診療のニキビ治療薬は、市販薬よりも有効成分の濃度が高いため、より効果的にニキビを治療することができます。ニキビ治療は、長く続けることが重要です。保険診療でも、根気強く治療を続けることで、ニキビができにくい肌を目指せます。
自費の専門的なニキビ治療
自費診療で行う専門的なニキビ治療には、主に以下の様なものがあります。
- ピーリング: 薬剤を使用して古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進します。
- アグネス: 高周波を使用して皮脂腺を破壊し、ニキビの再発を防ぎます。
- ヒーライト: 赤みや炎症を抑え、肌の再生を促進する効果があります。
- ケミカルピーリング: 薬剤を使用して、古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進します。
これらの治療は、保険診療ではカバーされないため、費用は全額自己負担となりますが、保険診療で治らない方は、検討してみてください。
顎ニキビの治療の期間は?
顎ニキビの治療期間は、ニキビの重症度や体質、治療方法によって異なります。一般的には、保険診療で3ヶ月から1年、自費診療では数ヶ月から1年程度かかることが多いです。
顎にニキビができる9つの原因
顎ニキビはさまざまな要因で発生します。
①乾燥
顎ニキビの原因として、肌の乾燥も挙げられます。乾燥すると、肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が剥がれにくくなります。その結果、毛穴が詰まりやすくなり、皮脂が溜まってニキビが発生しやすくなるのです。また、乾燥した肌はバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなるため、炎症を起こしてニキビが悪化しやすくなります。
②刺激と摩擦
顎は、無意識に手で触れたり、マスクや衣類の摩擦を受けたりするなど、刺激を受けやすい場所です。 特に、髭剃りや産毛処理は、肌に細かい傷をつけ、雑菌の侵入を容易にするため、顎ニキビの原因となります。 また、頬杖をつく癖や、マスクの着用による摩擦も、顎ニキビの悪化要因となります。
③マスクやマフラー
マスクやマフラーの着用は、顎への摩擦や刺激を引き起こし、顎ニキビの原因となります。 マスクやマフラーは、着用時に顎に密着し、呼吸や動作によって常に摩擦が発生します。特に、素材が硬いものや通気性の悪いものは、摩擦が大きくなり、肌への負担も増します。また、マスクやマフラーは汗や皮脂を吸収しやすく、雑菌が繁殖しやすい環境を作り、ニキビの発生を促進する可能性があります。
④男性の髭剃り
男性の場合、髭剃りは顎ニキビの大きな原因となります。髭剃りによって肌に細かい傷がつき、そこから雑菌が侵入しやすくなるためです。 また、髭剃り後のアフターケアを怠ると、乾燥や炎症を引き起こし、ニキビを悪化させる可能性があります。
⑤過剰な皮脂の分泌
顎ニキビは、過剰な皮脂の分泌によって引き起こされることがあります。皮脂は、肌を保護するために必要なものですが、男性ホルモンの影響などにより過剰に分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります。 毛穴に詰まった皮脂は、アクネ菌の増殖を促し、炎症を起こしてニキビへと発展します。 特に顎は、男性ホルモンの影響を受けやすい部分であるため、皮脂の分泌が活発になり、ニキビができやすくなります。
⑥ホルモンバランスの乱れ
顎ニキビは、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされることがあります。特に、ストレスや睡眠不足、生理前などは、ホルモンバランスが乱れやすく、皮脂の分泌が過剰になるため、顎ニキビができやすくなります。 ホルモンバランスの乱れは、男性ホルモンの分泌を増加させ、皮脂の分泌を促進するため、毛穴が詰まりやすくなり、炎症を起こしてニキビへと発展します。
⑦ストレス
ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂の過剰分泌を招きます。 特に、ストレスホルモンであるコルチゾールは皮脂分泌を増加させ、顎ニキビの原因となります。 ストレスは、睡眠不足や不規則な生活習慣にもつながり、さらにニキビを悪化させる可能性があります。
⑧紫外線による乾燥
顎は、帽子や日傘などで紫外線対策がしにくい部分です。紫外線を浴びると、肌は乾燥しやすくなり、バリア機能が低下します。 乾燥した肌は、ターンオーバーが乱れ、古い角質が剥がれにくくなるため、毛穴が詰まりやすくなります。 その結果、過剰な皮脂が分泌され、顎ニキビが発生しやすくなるのです。 また、紫外線は肌の炎症を悪化させるため、顎ニキビが悪化しやすくなります。
⑨栄養不足
栄養不足は、肌のターンオーバーを遅らせ、バリア機能を低下させるため、顎ニキビの原因となります。 特に、ビタミンやミネラルが不足すると、肌の再生が滞り、健康な肌を保つことができなくなります。 その結果、古い角質が毛穴に詰まり、皮脂が過剰に分泌され、顎ニキビが発生しやすくなるのです。
顎ニキビの予防
正しい洗顔とスキンケア
洗顔は1日2回を目安に、洗顔料をよく泡立てて優しく洗いましょう。ゴシゴシこすると肌に刺激を与え、悪化の原因となります。洗顔後は、化粧水や乳液でしっかりと保湿し、肌のバリア機能を保ちましょう。ニキビができやすい部分は、油分の少ないゲルや乳液を使うと良いでしょう。
刺激や摩擦を避ける
顎ニキビを防ぐには、刺激や摩擦を避けることが重要です。 無意識に手で触れる、頬杖をつく、マスクや衣類の摩擦などは、顎ニキビの原因となります。 髭剃りや産毛処理も、肌への刺激となるため注意が必要です。
生活習慣を見直す
規則正しい生活と十分な睡眠を心がけましょう。 睡眠不足はホルモンバランスを崩し、皮脂分泌を増加させてニキビを悪化させる可能性があります。 また、バランスの取れた食事を摂るように心がけ、脂肪分の多い食事や糖質の過剰摂取は控えましょう。 さらに、適度な運動はストレス解消に効果的です。 入浴や温かい食事などで体を温めることも、血行促進やホルモンバランスの調整に役立ちます。
バランスの良い食事
バランスの取れた食事は、健康な肌を保つために重要であり、あごニキビの予防にも役立ちます。 皮膚の材料となるタンパク質を中心に、ビタミンやミネラルをしっかりと摂取しましょう。 特に、ビタミンB群やビタミンCは、肌の代謝を促し、健康な肌を保つために重要です。
紫外線対策
紫外線はニキビの炎症を悪化させ、色素沈着の原因となるため、顎ニキビ対策として紫外線対策は重要です。 日焼け止めを毎日塗り、外出時には帽子や日傘も活用しましょう。 紫外線は肌の乾燥も引き起こすため、保湿も忘れずに行いましょう。 顎は紫外線対策がしにくい部分なので、特に注意が必要です。
ストレスを溜めない
ストレスは、ホルモンバランスを崩し、皮脂の過剰分泌を招き、顎ニキビの原因となります。 ストレスを解消するためには、十分な睡眠、適度な運動、趣味など、自分に合った方法を見つけましょう。 軽い運動やヨガ、瞑想なども効果的です。 ストレスを溜め込みすぎず、こまめに発散することが大切です。
顎ニキビが悪化するとどうなる?
顎ニキビを放置すると、炎症が悪化し、赤ニキビや黄ニキビへと進行します。 さらに悪化すると、硬結ニキビと呼ばれる、しこりのようなニキビになることもあります。 硬結ニキビは、炎症が深くまで及んでいるため、治りにくく、ニキビ跡が残ってしまう可能性が高いです。 また、繰り返し炎症を起こすことで、色素沈着やクレーターなどのニキビ跡のリスクも高まります。 あごニキビが悪化すると、見た目だけでなく、痛みやかゆみなどの症状も伴うため、早めのケアが重要です。
顎だけでなく首やデコルテにもニキビはできる?
はい、顎だけでなく首やデコルテにもニキビはできます。これらの部位は、顎と同じく皮脂腺が多く、汗をかきやすいため、ニキビができやすい環境です。さらに、衣類との摩擦や髪の毛の刺激もニキビ発生の原因となります。 また、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れも、首やデコルテのニキビに影響を与えます。
生理前は顎にきびができやすくなる?
はい、生理前は顎ニキビができやすくなる傾向があります。 これは、生理周期に伴う女性ホルモンの変化が原因です。 女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。 生理前には、プロゲステロンの分泌が活発になります。 プロゲステロンは、男性ホルモンと似た働きをするため、皮脂の分泌を促進します。 その結果、毛穴が詰まりやすくなり、顎ニキビが発生しやすくなるのです。
思春期よりも、大人になってからのほうが、生理前に顎ニキビができやすいと言われています。 思春期は皮脂分泌が活発な時期ですが、ホルモンバランスは比較的安定しています。 一方、大人になると、ストレスや睡眠不足などの影響でホルモンバランスが乱れやすくなるため、生理前のプロゲステロンの影響を受けやすくなり、顎ニキビができやすくなると考えられています。
まとめ
顎ニキビは、様々な要因が複雑に絡み合って発生します。 主な原因としては、ホルモンバランスの乱れ、過剰な皮脂分泌、肌への刺激、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
顎ニキビを予防・改善するには、正しいスキンケア、規則正しい生活、バランスの取れた食事、ストレスを溜めない などの対策が重要です。 また、症状が改善しない場合は、お近くの皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。