ニキビ跡(ニキビ痕)をきれいに治す方法とは?ニキビの痕が残る原因と正しいケア方法を解説

ニキビ跡の正しいケア

ニキビ跡がなかなか治らないんです…どうすればいいですか?

玉城有紀
玉城有紀

安心してくさだい!

今回はニキビ跡の種類別の治療法や正しいケアをお話しますね!

是非知りたいです♪よろしくお願いします!

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

今日は、お伝えしたいのはこちらです!!

1なぜニキビ痕になるのか
2炎症後の紅斑
3クレーター
4肥厚性瘢痕
5ケロイド

今日は皆さんのお悩みで多いニキビ痕についてお話したいなと思います。

1なぜニキビ痕になるのか

「ニキビ痕ができたらどうすればいいのか」の前に「そもそもニキビ痕とはどうしてできるのか」っていうところをしっかりお話したいと思います。

ニキビ痕が残る原因はいろいろあります。

・自分でさわってしまい機械的な刺激が加わる

・髭剃りなどの小さい傷によって感染をおこす

・もともと体質的に化膿しやすい

・傷跡の治りやすさの個人差

これらによって炎症反応の回復が遅れたり真皮の基底膜が破壊されます。

そうすると「ニキビ痕」として残ってしまうと考えられます。

 

 

 

 

 

ニキビが軽いうちなら肌のターンオーバーによって、炎症が起こっても痕に残らずに治っていくことはあります。

しかし炎症が長引いたり、かなり強い炎症つまり深い場所で起こった炎症だと、ニキビ痕として発展してしまうことが多いです。

ニキビ痕と一言で言っても、実はいろんな種類があります。

2炎症後の紅斑

炎症後の紅斑とは、いわゆるニキビ痕のずっと続く赤みを言います。

毛穴に炎症や化膿が起こると皮膚の表面に傷がつきますが、通常皮膚の真皮の浅いところまでの傷であれば、赤み・色素沈着とかのニキビ痕のみとなって、時間がたつとともに自然に治まることが多い傾向です。

赤みのピークは1ヶ月位で、早い方では2,3ヶ月くらいで赤みが徐々に消えていきます。赤みの引き具合にも個人差があって、半年~1年程度赤みが残る場合もあります。

炎症後にシミが出来るのは 炎症後色素沈着と言います。

ニキビの炎症によって様々なサイトカインが産生されてしまうと、メラニンがたくさん作られます。

それによって茶色いシミのようになります。

炎症後の赤みやシミを改善するには自費治療になってしまいます。

治療にはビタミンC誘導体が使われることがあります。

ビタミンC自体は肌に吸収されにくいのですが、ビタミンC誘導体にすることで肌に吸収されやすくなります。

毛穴を引き締めたり、皮脂の分泌を抑制します。活性酸素をおさえて「ニキビの炎症も抑える効果」、メラニンの産生を抑えることで「炎症性色素沈着の改善」が期待されます。

 

 

 

 

 

あとはトレチノインの外用もいいですね。

トレチノインはビタミンA誘導体の一種です。

古い角質を除去することで皮膚のターンオーバーを促進し、シミを抑えたり、ニキビ痕を改善します。新らしい表皮の形成を促し、真皮のコラーゲン産生も促進し、お肌のハリを改善します。皮脂の分泌をおさえ、ニキビの予防にも有効です。

 

 

 

 

 

その他ではピーリングやピーリング石鹸があります。

古い角質を徐々に取ることによって皮膚のターンオーバーを促進するので、炎症後の赤みやシミに有効です。

炎症後の色素沈着の予防には紫外線対策も大切ですね。

時間がたてば少しずつ消えていくこともあるのですが、かなり炎症が長引いたり強い炎症が起こると、治るのに年単位かかります、その場合は何らかの治療をしたほうがきれいに治ります。

3クレーター

クレーターは毛穴に炎症が出来た結果として、毛穴の壁が壊されて真皮組織自体が破壊されることが原因で起こります。

この場合は真皮の深いところまで傷が付いてしまっているため、ダーマペンとかフラクショナルレーザーなどによる真皮レベルの再生が必要となります。

女性だと「クレーターのところにメイクが詰まってしまいお化粧がのらない」という方が多いですよね。

 

 

 

 

 

なかなか治療が難いのですが、治療の一つとしてはダーマペンがあります。

皮膚に細かな穴を開けていって皮膚自体の細胞修復効果で治していくというものです。

自費診療となりニキビ痕にある程度の効果を発揮するには6回程度の施術を必要とします。すべてのニキビ痕に効果があるわけではなく、あくまで痕をぼかし目立たなくさせることが目的です。

4肥厚性瘢痕

肥厚性瘢痕は傷を治そうとして線維芽細胞(コラーゲン)が過剰にふえて盛り上がった場合になります。

ニキビが治った傷跡はコラーゲンが増殖して傷がしこりになったり、真皮側に「ひきつれ」を起こしている状態です。

瘢痕の部分の皮膚は普通の皮膚が硬くなってしまうんですね。

硬くなってしまったところはヒルドイドソフトなどのヘパリン類似物質をつけるといいです。ヒルドイドは元々の保湿作用のほかに患部の血流を良くすることで「引きつった傷跡」を改善する作用があります。

 

 

 

 

 

やけどの傷跡の赤みにも使われ、炎症後のさまざまな症状をはやく治す働きが期待できます。

痕を完全に消すことは難しいですが、時間をかけて継続することでひきつれた部分も柔らかい肌質になっていきます。

よく「市販の化粧品でなおりますか?」とご質問を受けます。

瘢痕というのは基本的に真皮のレベルのお話なので、残念ながら化粧品では改善できません。化粧品というのは基本的には表皮のレベルに作用するようなものを言いますので、残念ながら化粧品では治らないのです。

5ケロイド

コラーゲンの増殖が体質的な素因・個人の遺伝的要因などによって制御不能となってしまうと、ケロイドとなってしまう方もいます。

特にフェイスラインから顎周りは常に皮膚に張力が掛かる部位なので、ケロイドの好発部位となります。

ケロイドの治療はステロイドの注射がもっとも効果のある方法です

ステロイドには抗炎症作用、線維芽細胞の増殖抑制作用、コラーゲンを分解する作用などがあるので、ケロイドに効果的です。

ただ副作用としては、脱色素斑・皮膚萎縮・毛細血管拡張症などがあります。

また注射は痛いので嫌がる方もいらっしゃいます。

 

 

 

 

痛くない治療としてはステロイドが入ったテープを使います。

注意点はケロイドの盛り上がっている部分より少し小さく貼ることです!!

はみ出て貼ると周囲の毛細血管拡張や皮膚萎縮が起こってしまいます。

かなりひどいケロイドになったらオペで切ったりして目立たなくさせる事もできますが、もともとケロイド体質がある方は手術をすることで傷がついてまたケロイドになるのでおすすめしません。

リザベンという飲み薬も効果がありますが、少し長めに飲む必要があります。

漢方薬だと柴苓湯が肥厚性瘢痕に効果があったとの報告があります。

その他にVビームというレーザーがあります。

これは赤いあざに効果がありますが、ケロイドも赤いので効果があります。

ニキビ痕を予防したい方はとにかく早く治療して欲しいです!ニキビ痕が出来る方は、不適切なケアや病院へ行かずにニキビを悪化させたことが一番の原因としてあげられます。

ニキビはごく初期の段階で治療を適切に行えば、肌はもとの状態に修復されてニキビ痕にならずに済むのです。

悪化させないうちに早めに皮膚科で治療を始めてください。

 

 

 

 

一度大きな痕になってしまうと完全に消す方法はないので、「予防に勝る治療はない」ともされています。

今あるニキビを病院できちんと治療を開始することが最も大切です!

一番大切なことをお話しますと、ニキビ痕を何とかする前に「ニキビそのもののコントロールができているか」ということです。

ニキビのコントロールがうまくいってないうちにニキビ痕の治療しても、ニキビがニキビ痕になるのを繰り返していくだけです。まずはニキビのコントロールをしっかりしていくことが大事です。

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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