ニキビ跡がなかなか治らないんです…どうすればいいですか?
安心してくさだい!
今回はニキビ跡の種類別の治療法や正しいケアをお話しますね!
是非知りたいです♪よろしくお願いします!
みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
今日は、お伝えしたいのはこちらです!!
今日は皆さんのお悩みで多いニキビ痕についてお話したいなと思います。
1なぜニキビ痕になるのか
「ニキビ痕ができたらどうすればいいのか」の前に「そもそもニキビ痕とはどうしてできるのか」っていうところをしっかりお話したいと思います。
ニキビ痕が残る原因はいろいろあります。
これらによって炎症反応の回復が遅れたり真皮の基底膜が破壊されます。
そうすると「ニキビ痕」として残ってしまうと考えられます。
ニキビが軽いうちなら肌のターンオーバーによって、炎症が起こっても痕に残らずに治っていくことはあります。
しかし炎症が長引いたり、かなり強い炎症つまり深い場所で起こった炎症だと、ニキビ痕として発展してしまうことが多いです。
ニキビ痕と一言で言っても、実はいろんな種類があります。
2炎症後の紅斑
炎症後の紅斑とは、いわゆるニキビ痕のずっと続く赤みを言います。
赤みのピークは1ヶ月位で、早い方では2,3ヶ月くらいで赤みが徐々に消えていきます。赤みの引き具合にも個人差があって、半年~1年程度赤みが残る場合もあります。
ニキビの炎症によって様々なサイトカインが産生されてしまうと、メラニンがたくさん作られます。
それによって茶色いシミのようになります。
炎症後の赤みやシミを改善するには自費治療になってしまいます。
治療にはビタミンC誘導体が使われることがあります。
ビタミンC自体は肌に吸収されにくいのですが、ビタミンC誘導体にすることで肌に吸収されやすくなります。
あとはトレチノインの外用もいいですね。
トレチノインはビタミンA誘導体の一種です。
その他ではピーリングやピーリング石鹸があります。
古い角質を徐々に取ることによって皮膚のターンオーバーを促進するので、炎症後の赤みやシミに有効です。
炎症後の色素沈着の予防には紫外線対策も大切ですね。
時間がたてば少しずつ消えていくこともあるのですが、かなり炎症が長引いたり強い炎症が起こると、治るのに年単位かかります、その場合は何らかの治療をしたほうがきれいに治ります。
3クレーター
女性だと「クレーターのところにメイクが詰まってしまいお化粧がのらない」という方が多いですよね。
なかなか治療が難いのですが、治療の一つとしてはダーマペンがあります。
皮膚に細かな穴を開けていって皮膚自体の細胞修復効果で治していくというものです。
自費診療となりニキビ痕にある程度の効果を発揮するには6回程度の施術を必要とします。すべてのニキビ痕に効果があるわけではなく、あくまで痕をぼかし目立たなくさせることが目的です。
4肥厚性瘢痕
ニキビが治った傷跡はコラーゲンが増殖して傷がしこりになったり、真皮側に「ひきつれ」を起こしている状態です。
瘢痕の部分の皮膚は普通の皮膚が硬くなってしまうんですね。
硬くなってしまったところはヒルドイドソフトなどのヘパリン類似物質をつけるといいです。ヒルドイドは元々の保湿作用のほかに患部の血流を良くすることで「引きつった傷跡」を改善する作用があります。
やけどの傷跡の赤みにも使われ、炎症後のさまざまな症状をはやく治す働きが期待できます。
痕を完全に消すことは難しいですが、時間をかけて継続することでひきつれた部分も柔らかい肌質になっていきます。
よく「市販の化粧品でなおりますか?」とご質問を受けます。
5ケロイド
コラーゲンの増殖が体質的な素因・個人の遺伝的要因などによって制御不能となってしまうと、ケロイドとなってしまう方もいます。
特にフェイスラインから顎周りは常に皮膚に張力が掛かる部位なので、ケロイドの好発部位となります。
ケロイドの治療はステロイドの注射がもっとも効果のある方法です。
ただ副作用としては、脱色素斑・皮膚萎縮・毛細血管拡張症などがあります。
また注射は痛いので嫌がる方もいらっしゃいます。
痛くない治療としてはステロイドが入ったテープを使います。
はみ出て貼ると周囲の毛細血管拡張や皮膚萎縮が起こってしまいます。
かなりひどいケロイドになったらオペで切ったりして目立たなくさせる事もできますが、もともとケロイド体質がある方は手術をすることで傷がついてまたケロイドになるのでおすすめしません。
リザベンという飲み薬も効果がありますが、少し長めに飲む必要があります。
漢方薬だと柴苓湯が肥厚性瘢痕に効果があったとの報告があります。
その他にVビームというレーザーがあります。
これは赤いあざに効果がありますが、ケロイドも赤いので効果があります。
ニキビはごく初期の段階で治療を適切に行えば、肌はもとの状態に修復されてニキビ痕にならずに済むのです。
悪化させないうちに早めに皮膚科で治療を始めてください。
一度大きな痕になってしまうと完全に消す方法はないので、「予防に勝る治療はない」ともされています。
今あるニキビを病院できちんと治療を開始することが最も大切です!
一番大切なことをお話しますと、ニキビ痕を何とかする前に「ニキビそのもののコントロールができているか」ということです。
ニキビのコントロールがうまくいってないうちにニキビ痕の治療しても、ニキビがニキビ痕になるのを繰り返していくだけです。まずはニキビのコントロールをしっかりしていくことが大事です。
動画でも解説していますので、是非ご覧ください。