【ニキビ治療は皮膚科で】効果的なニキビの治療法やメリット、皮膚科での受診の流れを皮膚科医が徹底解説

ニキビ治療は皮膚科で!
ニキビでお悩みの方はお気楽に皮膚科に来てほしいです。でも初めての方はどんな治療があるのかご不安かもしれません。この記事では具体的な治療の内容や皮膚科での流れ、金額までわかりやすく解説します。

皮膚科でのニキビ治療とは?

まずは皮膚科でのニキビ治療を受けるメリットについてご説明します。

皮膚科医はニキビだけではなく、他の病気についても診察していますし、軽度から重度のニキビまで、さまざまな症例を経験しています。患者さんがおっしゃるニキビが、本当にニキビなのかを含め、湿疹とニキビの両方の病気があるときはどちらを優先して治すのかなど患者さん一人ひとりの症状に最適な治療法を提案することができます。あと、ほとんどのニキビ治療は保険が適用されますので、比較的安価に治療を受けることができます。保険適応の場合、診察料や処方されたお薬の値段を含めて、1回の診察で1000円〜3000円程度で行えます。それで、市販薬よりも強力なニキビ治療ができます。それに、少しでも早く治療を受けた方が、少しでもニキビ跡を残さず治すことが出来ます。

皮膚科での保険治療としては、まずは「問診」といって、いつ頃からニキビができたのか、どんなお薬をいつまで使っていたのか、妊娠・授乳中なのか、女性なら生理前後に悪化するのか・・などお話を伺います。そして、抗生剤の塗り薬だけでいいのか、保険で処方できるピーリング系のディフェリンやベピオを処方したほうがいいのかを考えます。処方するときは、どのくらいの量を、いつまで塗るべきかを説明しています。

ニキビ治療のポイントとしては、とにかく根気よく治療を続けることです。にきびは慢性的な病気なので、治療には時間がかかります。自己判断で治療を中断されてしまうと、ニキビが再発したり、結局、痕に残ってしまいます。あとは洗顔の仕方も大事で、洗いすぎやごしごしこすりすぎるのは駄目です。油っぽい肌でも、保湿剤を使って、、肌の水分と油分のバランスを整えることが大切です。

皮膚科でのニキビ治療は、症状に合わせて長期的な治療計画を立てたうえでおこなわれます。敏感肌で何か症状のある人は先に肌を整えてからニキビ治療をするなど、場合によってはいくつかの処置を組み合わせて治療することもあります。 医師とよく話し合い、不明な点は質問して、適切な治療を進めていきましょう。

皮膚科でのニキビ治療をおすすめする方

  1. にきびがなかなか治らない
  2. にきび痕が目立って気になる
  3. にきび痕のクレーターをきれいにしたい
  4. にきびの赤みが気になる
  5. にきび痕が茶色く色素沈着している
  6. 顔以外の首や背中のにきびが治らない

にきびは、そもそも毛穴の中に皮脂が詰まって、にきび菌が繁殖し、化膿した状態です。にきびの症状に似たもので、「毛膿炎」があります。にきびと毛膿炎の違いは、一般的に言う「にきびの芯」があるかどうかで判断します。にきびの芯は、「コメド」と言われ、にきびを潰した時に出てくるゴマ粒状の塊で、これが出てくるものをにきび、出てこない単なる毛穴付近の化膿した状態が毛膿炎です。

毛穴詰まり ニキビ

ニキビの原因

ニキビは、医学的には「尋常性座瘡」と呼ばれ、誰もが一度は経験する可能性のある肌のトラブルです。その主な原因は、アクネ菌の過剰な繁殖だと考えられています。

アクネ菌とは、誰の肌にも存在する常在菌の一種ですが、毛穴に皮脂が過剰に分泌され詰まると、アクネ菌にとって住みやすい環境となり、増殖し炎症を引き起こします。

ニキビの原因となる要素としてはいくつか考えられます。

過剰な皮脂分泌

男性ホルモン(アンドロゲン)の影響で皮脂分泌が過剰になると、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなります。思春期には男性ホルモンの分泌が急増するため、ニキビが多く見られますが、成人でもストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどによって男性ホルモンの分泌が促進され、ニキビができることがあります。

毛穴の詰まり

古い角質や皮脂が毛穴に詰まることで、嫌気性菌、つまり空気を嫌うアクネ菌は増殖しやすくなります。

アクネ菌の増殖

アクネ菌は皮脂を栄養源として増殖し、炎症物質を産生することでニキビの炎症を引き起こします。

ホルモンバランスの乱れ

特に成人ニキビの場合、ホルモンバランスの乱れが原因となることが多いです。

生活習慣の乱れ

ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、不適切なスキンケアなどは、ニキビを悪化させる要因となります。ストレスが増えると、コルチゾールというホルモンが分泌され、皮脂の分泌が増加します。その他にもストレスがかかると、交感神経が優位になるためアドレナリンが分泌され、このアドレナリンにも皮脂の分泌を促進する作用があります。つまり人はストレスを感じると交感神経が優位になり、その影響によって皮脂が過剰分泌されることがあるのです。

ニキビの種類

ニキビには状態によって、白ニキビ、黒にきび、赤にきび、黄にきびという種類に分類されます。

白にきび(閉鎖面疱)

白にきびは、毛穴が角質でいっぱいになり、出口を失った皮脂などの汚れが内部に蓄積した状態です。肉眼的には白い点のように見えます。 毛穴の奥深くに皮脂が詰まっているため、初期段階のにきびと言えるでしょう。

黒にきび

黒にきびは、毛穴の内側が皮脂でいっぱいになり、毛穴が開いた状態です。外気に触れた皮脂が酸化することで黒く変色します。 白にきびと同様に、毛穴の詰まりが原因です。

赤にきび(炎症性にきび)

赤にきびは、毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こしている状態です。 一般的に「ニキビ」と認識されている状態であり、炎症によって赤く腫れ上がります。

黄にきび

黄にきびは、炎症によって生じた膿が、毛穴に溜まった状態です。 表面が黄色く見え、痛みを伴うこともあります。

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皮膚科での診察の流れ

初めての方も皮膚科での診察の流れを知っておくと安心です。

1 問診

問診では、いつ頃からニキビができ始めたのか 今までに行ってきた保険治療や自費治療、などについて詳しく質問します。

2 検査

ほとんどの場合、特別な検査はありません。ただし、生理周期が整っていない方は、産婦人科でホルモンバランスを調べたりする場合があります。

3 ニキビ治療の説明

ニキビができる原因をお話して、治療の全体像や治療目標の説明、そしてライフスタイルを考慮した、肌にあった保険のニキビ治療を提案します。

主なニキビ治療は保険の塗り薬や飲み薬を処方しますが、場合によっては、面皰圧出などの処置が行われることもありますし、自費治療をご希望の方にはご提案します。

4 薬の説明

塗り薬や飲み薬など、処方される薬があるときは、その使い方や注意点などの説明を受けます。せっかくよい薬が処方されていても、薬の塗り方が間違っていると効果が出ませんので、副作用を説明し、いつまで、どのくらいの量を塗るのかを説明します。

5 生活上の注意点

洗顔方法、食生活、睡眠などについてアドバイスを受けることもあります。

  • 洗顔: 洗顔のしすぎやゴシゴシこするのは、肌への負担が大きいため、避けましょう。洗顔料をよく泡立てて、優しく洗い、ぬるま湯で丁寧にすすぎます。
  • 食生活: バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンA、食物繊維などを積極的に摂取しましょう
  • 睡眠: 睡眠不足は、肌のターンオーバーを阻害し、ニキビを悪化させる可能性があります。十分な睡眠を心がけましょう。
  • ストレス: ストレスは、ホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を促進するため、ニキビができやすくなる可能性があります。ストレスをため込まないように、適度な運動や趣味などでリラックスしましょう。
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ニキビ治療のポイント

Point1:ニキビを治すために皮膚科を受診!

市販のお薬で治らない方や、しっかり直したいという方は、お近くの皮膚科を受診してください。まずは保険治療をしますが、保険で治らない場合はアゼライン酸・アグネス・ピーリング・ヒーライト・ゼオスキンなどの自費治療のご提案もできますので、ぜひお近くの皮膚科を受診してみましょう。

Point2:ニキビを治すためには時間が必要

ニキビは、慢性の病気です。コメド(毛穴のつまり)を治療しない限り、繰り返しできてしまう可能性もあります。 ニキビのできにくい“つるっとした肌”を目指すには、最低でも3ヶ月の通院は必要と考えて下さい。場合によっては長期の通院を続けることも想定して、まずは自宅や職場の近くの皮膚科を探してみましょう。

Point3:コメド治療を医師に相談しよう!

コメドとは、白ニキビや黒ニキビのことを指します。コメドはニキビの初期段階であり、放置すると炎症を起こし、赤ニキビや黄ニキビに進行する可能性があります。かなり良くなった後も、皮膚科でコメド治療を続ければ、ニキビのないキレイな肌を目指せます。

皮膚科でのニキビ治療の費用

保険が適用されるニキビ治療

保険適用されるニキビ治療の場合、初診料や再診料、薬代などがすべて3割負担になります。そのため、1回の受診で1000円から3000円程度になることが多いです。

●塗り薬

  • 過酸化ベンゾイル(ベピオ): ニキビの原因菌を殺菌し、毛穴の詰まりを改善します。白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビに効果が期待できます。
  • アダパレン(ディフェリン): 毛穴の詰まりを改善します。ニキビの前段階であるマイクロコメドから白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビに効果が期待できます。
  • 抗菌薬: ニキビの原因菌が増えるのを抑えます。赤ニキビに効果が期待できます。
  • 過酸化ベンゾイル+アダパレン配合剤(エピデュオ): 過酸化ベンゾイルとアダパレンを配合した塗り薬です。白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビに効果が期待できます。
  • 過酸化ベンゾイル+抗菌薬配合剤:(デュアック配合ゲル) 過酸化ベンゾイルと抗菌薬を配合した塗り薬です。白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビに効果が期待できます。

代表的な4つのニキビ治療薬

過酸化ベンゾイルやアダパレンを成分とした毛穴の詰まりを改善する薬は、使い続けることで効果を発揮します。使い始めに肌に刺激を感じる場合もありますが、徐々に慣れていくことが多いです。気になることがあれば、医師に相談しましょう。

●飲み薬

  • 抗菌薬: ニキビの原因菌が増えるのを抑えます。赤ニキビに効果が期待できます。
  • 漢方薬やビタミン剤: 目的に応じて補助的に服用することがあります。

● 処置

面皰圧出(コメド圧出): 専用の滅菌された器具を使って、毛穴に詰まっている皮脂や角質などを取り除きます。

保険が適用されないニキビ治療

ニキビが保険治療で治らない場合は自費治療という選択肢もあります。

●ケミカルピーリング(サリチル酸ピーリング)

ケミカルピーリングは、フルーツ酸などの薬剤を使用して、皮膚の角質層を取り除く治療法です。 サリチル酸ピーリングは、サリチル酸を用いたケミカルピーリングの一種で、毛穴に詰まった角質や皮脂を取り除き、ニキビの改善を目指します。古い角質を除去することで、肌のターンオーバーを促進し、ニキビができにくい肌環境へと導きます。特に、白ニキビや黒ニキビ、一部の赤ニキビに効果が期待できます。 費用は施術内容やクリニックによって異なります。

●ヒーライト

ヒーライトは、LEDの光治療で、特定の波長の光を照射することで、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌や炎症を抑える効果が期待できます。ダウンタイムが少なく、痛みも少ない治療法として知られています。

●アグネス

アグネスは、高周波の熱エネルギーをニキビの原因となる皮脂腺に直接照射する治療法です。 ニキビの原因である皮脂腺の働きを抑制することで、ニキビの発生を抑え、繰り返すニキビの根本治療を目指します。 アグネスは、炎症を起こしたニキビ、顔中に広がったニキビ、同じ場所に繰り返し発生するニキビなど、様々な種類のニキビに効果が期待できます。

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ニキビでお悩みのお子様をお持ちの方へ

思春期のお子様にとって、ニキビは大きな悩みの種となることがあります。誰かに見られている気がするとか、メイクで厚塗りをして隠さないと外に出れないとおっしゃるお子さんもおられます。

早期治療の重要性

ニキビは、早期に適切な治療を開始することで、症状の悪化やニキビ跡を抑えることができます。思春期に入ると、体の中でアンドロゲンというホルモンの分泌が増加します。アンドロゲンは男性ホルモンの一種で、男女ともに思春期に増加します。このホルモンは皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を増加させてしまいます。 放置すると、炎症がひどくなり、ニキビ跡が残ってしまうこともあります。

特に、赤ニキビや黄ニキビなど、炎症を起こしたニキビは、ニキビ跡のリスクが高いため、早めの治療が重要です。

皮膚科受診のススメ

自己流のケアや市販薬では、症状が悪化したり、肌に合わない場合もあります。正しい知識と適切な治療を受けるために、皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。皮膚科では、お子様のニキビの状態や原因に合わせて、適切な薬物療法やスキンケア指導を行います。

日常生活での注意点

  • 清潔な洗顔: 洗顔は朝晩2回程度、洗顔料をよく泡立てて優しく洗いましょう。ゴシゴシこすったり、洗いすぎると、肌への負担が大きくなり、逆効果になることがあります。
  • バランスの取れた食事: ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンA、食物繊維などを積極的に摂取しましょう。
  • 十分な睡眠: 睡眠不足は肌のターンオーバーを阻害し、ニキビを悪化させる可能性があります。規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとりましょう。
  • ストレスをためない: ストレスは、ホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を促進するため、ニキビができやすくなります。お子様のストレスに気を配り、適度に発散できるような環境作りを心がけましょう。

親御さんができること

  • お子様の気持ちを理解する: ニキビは、見た目だけでなく、精神的な負担も大きいものです。お子様の気持ちを理解し、寄り添ってあげましょう。
  • 正しい知識を共有する: ニキビの原因や治療法、日常生活での注意点などについて、正しい知識を親子で共有しましょう。
  • 受診を促す: お子様自身がニキビを気にしている様子があれば、皮膚科の受診を勧めましょう。
  • 通院をサポートする: 皮膚科を受診する場合は、お子様と一緒に通院し、治療をサポートしてあげましょう。

まとめ

ニキビ治療は、根気と継続が必要です。医師の指示を守り、焦らずに治療を続けることが大切です。ニキビでお悩みのお子さんをお持ちの方も、お子様と協力し、ニキビの悩みを克服できるよう、サポートしてあげてください。また、お気軽に自由ヶ丘ファミリー皮ふ科、二子玉川ファミリー皮ふ科、溝の口駅前皮膚科にご相談ください。

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