べピオローションって以前紹介されたべピオゲルと何が違いますか?
いい質問ですね。
この記事ではべピオゲルとローションの違いや上手な使い方
などを解説していきますね!
よろしくお願いします!
みなさんこんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
今日お伝えしたいのはこちらです!!
ネットを見てると正しい情報もあれば残念ながら間違っている情報もたくさんあるなと思います。
間違っている情報を信じた結果、ニキビが悪化してしまう方もいますのでご注意ください。
ニキビについて
まずニキビの原因とされるアクネ菌は皆さんの肌に住みついている常在菌です。
慢性的に毛穴が詰まったり、皮脂の分泌が多くなりすぎたり、ホルモンバランスが崩れたりするとニキビができるので、思春期が終わるまでに約90%以上の方がニキビになると推測されています。
ニキビ治療をしていると「肌が変わると人生が変わった」とおっしゃる方がいます。
他にも…
「人から見られても平気になった!」
「メイクであんなに必死にかくしてたのが嘘みたい!!」
などなど。
人生が良い方向に変わっていくのは皮膚科医としてはとても嬉しいことです。
ベピオゲルとベピオローションの違い
ニキビで皮膚科に行ったとき、ベピオローションというお薬をもらったことはありませんか?
『ベピオ使ったけどよくならなかった』って思っている方いませんか??
そういう方に「何本使いました?1本何ヶ月使いました??」
ってとこまで突っ込んで聞くと、ほとんどの方が間違った使い方をされています。
ごめんなさい。ニキビはそれでは良くならないです。
ペピオローションの効果が出るのは3ケ月くらいしっかり塗ってからなのです。
皆さんもここのところをよく頭に入れておいてくださいね。
今回はその中でベピオローションについてお話しようと思います。
ベピオの成分である過酸化ベンゾイルは60年も前から世界でニキビ治療薬として第一線で活躍してきましたが、日本で承認されたのは2015年と比較的最近のことです。
ディフェリンが2008年に保険適応になったので、その7年後からベピオが使えるようになったのですね。
ベピオの有効成分過酸化ベンゾイルは、日本皮膚学会のガイドラインでは「A判定」でニキビの治療薬として推奨されています。
近年ニキビの治療薬において耐性菌が非常に問題になってきています。
ニキビ菌を殺菌する「塗り薬」や「飲み薬」は長期間使用するとニキビ菌が薬に対して抵抗力を持つようになり、薬が効きにくくなるという問題が発生していました。
ただ、かさかさしたり刺激があったりで使いにくいという方が多かったのですが、2023年ベピオゲルの改良版のベピオローションが処方できるようになりました。
ベピオゲルとベピオローションの違い
中身がローションになりスクワラン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、セトステアリルアルコールなどの保湿成分が増えました。
これによりベピオゲルでは37%に見られた副作用が12%と約3分の一になり、赤みや乾燥、刺激感がだいぶ楽になりました。
有効成分
ベピオには強力な酸化作用があって主に2つの作用があります。
ピーリングとは古い角質を取り除くことです。
このピーリング作用で、毛穴がつまりにくくなります。
過酸化ベンゾイルはニキビ初期の白ニキビ黒ニキビといった初期の毛穴詰まりに対しても有効ですし、ニキビ菌が増殖している真っ赤な炎症期に対しても有効な成分なので、どのニキビの段階においても有効な成分となります。
日本では2.5%の濃度の製剤になっていますが、これ以上濃度を濃くしても有効性に差がありません。
濃度を強くすると副作用が強くなってしまうのでこのくらいの濃度が推奨されています。
塗り方
まずどのくらい塗ると効果が感じられるかについてお話します。
1円玉くらい出すと0.5g出てきます。この量で全顔つけます。
ベピオは基本的にディフェリンと同じで、ニキビだけではなくてその周りのニキビができやすいところにも塗ります。
ですから「1ヶ月に1本もなくならないよ…」ということだと『塗ってない』ということになります。
薬を使うにあたっての正しい量・使用方法を知ることはとても大切です。
副作用を軽減するための具体的な塗り方
乾燥が3%、赤みが5%くらいの方にでます。
なので、途中で断念する人ってかなりいるみたいです。
でも、1ヶ月程度継続すると症状は軽減していくことが多いとされています。
あと割合は低いのですが、注意が必要なのはアレルギー性の接触皮膚炎、つまりかぶれです。
これは100人に3人くらいの方に起こります。
過酸化ベンゾイルにかぶれる方はベピオは使えませんが、ディフェリンゲルよりはベピオはかぶれは少ないかなと思います。
これは皮膚科医でしか判断できないことなので、ひりひりしたのが中止するレベルなのか使い続けていいのかなど使い方に関しては皮膚科の先生と相談しながら指示に従ってくださいね。
あと副作用で脱色というのがあって、背中のニキビにベピオローションをつけているとパジャマの色が白くなったということがありますので大事なパジャマは使わないでくださいね。
よく乾かしてからパジャマを着ると脱色しにくくなります。
朝洗顔するときに水だけで洗顔すると茶色いタオルが脱色されてオレンジ色になりますので、洗顔フォームを使って洗顔するか白いタオルを使ってくださいね。
副作用がつらいときの塗り方
ピーリングの副作用がすごくてかゆかったりとかヒリヒリしたり、痛かったりするので続けられないっていう方のために副作用を軽減するための具体的な塗り方についてお話します。
①少量から塗ってみる
具体的にお話すると、初めて塗るときには指先に少量取り直径2センチ以下の広さに刷り込まないようにやさしく塗り広げます。
徐々に塗る範囲を広げていって、かさつきや赤みが強く出なければ顔全体に広げていきます。
②まず保湿する
できればノンコメドジェニックの保湿剤を使用してください。
保湿したあとにべピオゲルを塗りましょう。
③1日おきに使ってもOK
どうしても刺激感が強い方は1日おきでもいいから塗ってみてください。
1日おきに塗ると使い続けられる方が多いです。
④洗い流す
刺激感が強い方は洗い流してしまっても問題ありません。
夜、お風呂やシャワーでメイクを落とす前に塗って15分くらいしたら洗い流す方法もあります。
少しずつ肌に慣れさせていくのが長期にかけて塗り続けていくのがポイントになってきますので、ぜひ押さえておいていただけたらと思います。
あとよくありがちなのが「1本使っても良くならないから効かなかった!」という方がいますが、効果が出てくるのは約3ヶ月後です。
1ヶ月に1本使うので3本使った頃だと思ってください。
そして歯磨きを毎日するように、毎日つけていただきたいのです。
妊娠中の方というのは有効性が上回ったときは使用してもいいというふうに言われてますが、妊娠中はピーリング石鹸とかを選択される方が多いですね。
ベピオゲルはニキビを治すだけでなく、ニキビをできにくくするお薬でもあります。
まだニキビ治療で抗生剤の軟膏だけしか処方されていないって方は、是非ベピオローションを使ってみてください。
「ベピオローションを以前処方されたけどうまく使えてなかった」
「すぐに塗るのやめてしまった」
という方がもう一回ベピオローションを塗ってみようかなと思っていただけると幸いです。
動画でもべピオゲルについて解説していますので、ご覧になってくださいね。