【白ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビ】ニキビの種類と治し方、治療薬と漢方について皮膚科医が解説【医師監修ニキビ治療まとめ】

先生、ニキビができてしまったんですけど…

玉城有紀
玉城有紀

ニキビにも種類があるんですよ

あなたのニキビにあった治療法について説明していきますね!

是非知りたいです♪よろしくお願いします!

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

今日、お伝えしたいのはこちらです!!

1赤いニキビのみを治す治療
2ニキビの原因の白ニキビを治す治療
3保湿の必要性
4抗生剤の内服
5漢方の内服

まずニキビの種類についてお話したいと思います。

皆さんがおっしゃるほとんどのニキビは、白いニキビ、赤いニキビ、膿んだニキビが混ざっています。

 

 

 

 

それぞれどんな違いがあるのかご説明します。

白ニキビ毛穴の出口がつまり皮脂が外に出られなくなた状態で、触るとザラザラして少し膨らんでいます。

赤いニキビ:毛穴の中で皮脂が大好物のニキビ菌が増えて、炎症が起こり赤くなった状態です。

黄色いニキビ:炎症がさらに進んでしまうと、広がった毛穴の壁が破れてまわりの組織にまで炎症が広がり、黄色い膿を持つようになります。

思春期の若い方だと「ぶつぶつしたものがおでこに出来た」と言う方がいらっしゃいます。

よくみると毛穴のつまりだけの方もいますが、多くの方が、白いニキビと赤いニキビの両方が認められるようになってから受診されます。

 

 

 

 

ニキビ治療は大きく分けて2つです。

赤いニキビと膿んだニキビの治療だけ行うか、白いニキビの治療も一緒に行うかです。

皮膚科医としては、白いニキビの治療も一緒にすることを強くお勧めします

ただ白いニキビの治療は副作用があるので使えないという方は、赤いニキビの治療だけを希望される方もいらっしゃいます。

 

 

 

 

1赤いニキビのみを治す治療

まず赤いニキビと膿んだニキビの治療について説明します。

赤いニキビと膿んだニキビの治療だけ行うということは、ニキビの炎症のものとになっているニキビ菌の繁殖だけ抑える治療、つまり今あるニキビだけに目を向けています。

 

 

 

 

 

塗り薬としては次の3つが有名です。

ダラシンTゲル1%:クリンダマイシンという名前の抗生剤のゲル

アクアチムクリーム1%:ナジフロキサシンという名前の抗生剤のクリーム

ゼビアックスローション2%:オゼノキサシンという名前の抗生剤のローション

ゼビアックスはこの中では一番新しい外用剤で、1日1回の外用で効果がある点が上の2つと異なります。

残念ながらこれらの外用剤はいずれも抗菌薬ですので、原因となっている白いニキビには効きません

塗り方は、ニキビの部分だけにピンポイントで外用すれば大丈夫です。

抗菌外用剤をずっと使うと耐性菌が発生してしまいます。特にヨーロッパでは4割近くのニキビ菌がクリンダマイシン耐性になっているとの報告がありますので、ピンポイントに使うのがポイントになってきます。

 

 

 

 

 

中等度以上のニキビでは抗生剤の内服も併用してもらいます。

ミノマイシン、ルリッド、クラリスとかを内服することが多いです。

また、効果によっては漢方薬も併用します。

2ニキビの原因の白ニキビを治す治療

では次に白いニキビの治療も一緒に行うことについて説明します。

ここ15年くらいでニキビの治療はものすごく進歩しました。

何が変わったかというと、白いニキビの治療ができるようになったことです。

 

 

 

 

 

従来は「しっかり顔を洗う」とか、クレアラシルのように「イオウの入った外用剤をつける」などの治療しかありませんでした。

イオウ製剤には脱脂作用・角質剥離作用があるとされていて保険適応があります。

ただ、これらの治療は皮膚の脂を取り除く効果はありますが、毛穴につまった脂までは取り除けません。

つまり、これらの治療で白いニキビを治療するには限界がありました

 

 

 

 

 

その後、ケミカルピーリングが治療に加わりました。

これは弱い酸を皮膚に塗ることで角質を溶かして、くすみや小じわにも効果があり美容効果もありました。

しかし、保険が効かないので高校生とか若い方のお財布にはやさしくありませんでした。

革命的な治療が始まったのが、2008年にディフェリンゲルが処方できるようになってからです。そして2015年にベピオゲル・デュアックゲル2016年にエピデュオゲゲルが処方できるようになりました。

「4つもあるのか!」と思われるかもしれませんが、実は2つしかありません

ディフェリンゲルとベピオゲルは全くの別物ですが、デュアックはベピオゲルにダラシンTゲルが混合されたものです。エピデュオゲルは、ディフェリンゲルとベピオゲルが混合されたものです。

つまり成分と効能で考えてわかりやすく言うと、ディフェリンゲルとベピオゲルの2つが存在すると理解してもよいと思います。

ベピオゲルに関しては日本では2.5%が用いられますが、過去の文献よりこれ以上濃度を濃くしても効果に差がなありません。10%だと乾燥・あかみ・かぶれの副作用が強くなるので、5%以下がのぞましいとされています。

 

 

 

 

ディフエリンとベピオの大きな違いはディフェリンゲルは白いニキビにしか効果がなくて、ベピオゲルは、白いニキビ、赤いニキビの両方に効果があります。

なお、ディフエリンとベピオに関しては妊娠・授乳中は使えません

 

 

 

 

 

「だったら両方を一緒に塗ればいいよね」という考えでできた薬がエピデュオゲルです。

エピデュオゲルにはディフェリンゲルとベピオゲル両方の成分が含まれます。

最初からエピデュオゲルを塗ればそれでよいではないかということになりますが、ディフェリン・ベピオって副作用があるのですね。

両方とも塗り始めて2週間くらいで皮ふが赤くなったり、ガサガサになったり、ヒリヒリしたりの副作用が生じます。ベピオゲルの成分の過酸化ベンゾイルという成分にアレルギー性のかぶれを起こす方もいらっしゃいます。

最初からディフェリンゲルとベピオゲルが入ってるエピデュオを使ってしまうと、一体どっちのかぶれなのかわからなくなってしまうのですね。

だから最初はディフェリンかベピオのどちらかから始めることが多いですね。

3保湿の必要性

ニキビ治療には保湿剤も大事です。

大人にきびの女性は8割以上の方が乾燥肌です。肌が乾燥すると毛穴に固くなった角質が詰まりやすくなります。

さらにディフェリン・ベピオゲルは毛穴の角化を直していくときに副作用で乾燥がありますので、保湿剤をしっかり使う必要があります。

 

 

 

 

 

 

皮膚科で処方できる保湿剤には、ヒルドイド・ビーソフテンというノンコメドジェニックという毛穴のつまりを起こしにくいテスト済みの保湿剤があります。

念のために購入時には確認をしてみてください。

メイク・基礎化粧品を変更したことでニキビが改善した方もいます。

4抗生剤の内服

内服抗生剤は中等症以上の炎症性のニキビがある方に使います。

推奨度A:ミノマイシン、ビブラマイシン

推奨度B:ルリッド、ファロム

推奨度C1:クラビット、クラリス

ミノマイシンは人によってめまいなどの副作用がでる場合もあり注意が必要です。

 

 

 

 

 

あと『早く治したいから抗生剤ください』っておっしゃる方がいます。

ひどくない数個しかニキビがないのに抗生剤を飲んで治してしまうと、耐性菌ができてしまいます。本当に必要なときに抗生剤が効かなくなってしまうので長期の使用は控えてくださいね。

5漢方の内服

漢方薬もニキビ治療によく使います。

よく使うのは十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)です。炎症や膿がひどい赤いニキビは、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、黄連解毒湯おうれんげどくとう)。いつも生理の時だけニキビになる方には桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)を処方することが多いです。

 

 

 

 

 

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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