先生、ニキビに悩んでいます。食べ物で気をつけることはありますか?
はい!ニキビに効く食べ物・食べ方について解説していきますね!
是非知りたいです♪よろしくお願いします!
みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。ニキビに効く食べ物と悪い食べ物、正しいスキンケアに役立つ情報を解説します。
1ニキビができる原因
にきびは80%くらいの方が、思春期にニキビに悩まされていると言われいます。皆さんも一度は経験されたことはありますか?1回もニキビを経験したことがない方はニキビ1個できただけでも本当に憂鬱になります。
ちまたでは、大人ニキビ・思春期ニキビとか言います。しかし、皮膚科だとそういう言い方ではなく、尋常性ざ瘡という病気として扱っています。毛穴が詰まってしまうことが一番大きな原因で、そこに皮脂分泌が盛んになると、皮脂が溜まってニキビ菌が繁殖して、炎症を起こしている状態になります。
もちろん、ごく初期のニキビならスキンケアを見直せば治る方もいらっしゃいますが、にきびは、睡眠不足・過剰なストレス・炎症を引き起こす食生活・ホルモンバランスの乱れなどが原因になるので、今回はニキビと食生活についてお話をしようと思いますので最後まで御覧ください。
食生活や栄養不足
肌の状態と食事は密接に関係していて、健康な肌は肌に必要な栄養素からつくられています。つまり、栄養バランスが偏った食事は肌の環境を悪化させます。ニキビに悩んでいる方は、この記事をよく読み「ニキビに良い食べ物と悪い食べ物」を知って、毎日の食生活から少しずつ生活習慣を見直していきましょう。
睡眠不足
ヒトのホルモンには朝と夜で分泌パターンが変わるものがあり、睡眠不足や日中逆転の生活などは、ホルモンのバランスが崩れるのでにきびの悪化因子となる可能性があります。また、睡眠不足があると、肌の免疫力や防御力が低下してしまい、ニキビ菌が繁殖しやすくなってしまいます。その他にも皮膚は眠っている間にダメージを修復して新しい皮膚をつくっています。 寝不足が続くと、修復がうまくいかずにターンオーバーにも影響してしまい、古い角質が残ったままになり、毛穴が詰まるので、ニキビの原因になります。できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
過剰なストレス
ストレスを感じると、ストレス対抗ホルモンとして男性ホルモンやコレチゾール、アドレナリンが分泌されてしまい、これらのホルモンが皮脂の分泌を増やし、ニキビの原因となるのです。特に男性ホルモンは、皮脂分泌を増やし角質を厚くするため、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの発生や悪化を招くので注意が必要です。
ホルモンバランスの乱れ
1.成長ホルモンの影響
成長期に多く分泌される成長ホルモンには、特にTゾーンの皮脂分泌を増やす作用があります。思春期に額や鼻にニキビが多く見られるのは、この成長ホルモンが深く関係しています。
2.男性ホルモンの過剰分泌
男性ホルモンには、皮脂の分泌過剰を誘発し、さらに角質を厚くなる作用があります。女性でも過度の緊張で交感神経が優位になると元々は少量だった男性ホルモンの分泌が促されるので、皮脂の分泌が高まりニキビが悪化します。
3.女性ホルモン
女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。エストロゲンは、妊娠の準備をするために月経~排卵の間に分泌量が増加し、プロゲステロンは妊娠の維持のために排卵~次の月経までの間に分泌量が増加します。
生理前のニキビはホルモンバランスが影響しています。生理前(排卵後から生理前)は女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれるホルモンが多く分泌されます。このプロゲステロンとは妊娠を維持するために必要なホルモンですが、男性ホルモンに似た働きがあり、皮脂を多くする作用があります。ですので、生理前の女性はニキビができやすくなってしまいます。
間違ったスキンケア
ニキビが出来た時に間違ったスキンケアをしてしまうと、ニキビが悪化してニキビ跡が残りやすくなってしまいます。まず、ニキビの間違ったスキンケアについて代表的なものをご紹介します。
1.触って膿を自分で出す
指や爪でニキビを潰すと一瞬きれいになったように感じてスッキリするかもしれません。しかし、かえって細菌が繁殖してしまい、炎症が広がったり、ニキビ跡が残りやすくなるので絶対に辞めましょう。
2.洗いすぎ
ニキビが出来ているときって、もっと洗ったほうがいいの?っておっしゃる方がいますが、違います。洗いすぎてしまうと、肌に必要な皮脂まで取り去ってしまい、罰当機能が低下して乾燥することがありますので、1日2回の洗顔にしてください。
3.放置する
ニキビを治療せずに放置してしまうと赤みや色素沈着が残りやすくなります。新しいニキビが出来なければ、半年~1年くらいで自然に治ることが多いのですが、顔の場合は紫外線や毎日の洗顔やメイクといった摩擦が加わるので、1年半以上かかる場合が多いのです。
ニキビに効果的な食べ物
タンパク質が豊富に含まれる食べ物
タンパク質は、肌を構成する成分の中でも最も大きな割合を占めており、健康な皮膚を保つために重要なものです。正常にターンオーバーが行われ、肌のバリア機能が整いますので、ニキビケアには必要な栄養となります。
タンパク質が豊富に含まれている食材は、赤身肉や鳥のささ身、魚、卵、大豆製品、乳製品です。 また、タンパク質を効率的に摂取できる栄養補助食品として「プロテイン」があり、植物性プロテインがおすすめです。 とくに大豆からできたソイプロテインには、女性ホルモンのバランスを整えるイソフラボンが含まれていてニキビケアにピッタリです。逆に、乳由来のホエイプロテインは、皮脂の分泌が活発になることもあるので、ニキビに悩んでいる方はできれば避けたほうが良いです。
必須脂肪酸が豊富に含まれる食べ物
二キビ改善に効果がある食事として一番のおすすめはオメガ3脂肪酸です。オメガ3脂肪酸は「質の良い油」と言われていて、抗炎症作用や面ぽう改善作用、また皮膚表面の角化異常を整え、男性ホルモンの働きを抑制します。代表的なオメガ3脂肪酸としてはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。代表的なオメガ3脂肪酸としてはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)がり、これは残念ながら牛や豚などのお肉にはほとんど含まれていないのです。
それでは、どんな食事にオメガ3脂肪酸が含まれているかというと、脂肪が多い魚です。具体的に言うと、サンマ、サバ、サーモン、イワシとか、カニ・ムール貝、カキなどの甲殻類のみ多く含まれています。
さらに、オメガ3脂肪酸を最も効率よく摂る方法としては、刺し身など生の魚で摂るのが効率がいいことはご存知でしたか?
刺し身など、生で食べたときのDHA量を100とすると、焼き魚や煮物では80、揚げ物にすると50しかDHAが摂れません。しかも、熱や空気によって酸化して、過酸化脂質を作りやすい性質なので、できる限り新鮮なものを生で摂取した方が好ましいです。
手軽に食べるなら 缶詰はおすすめです!缶詰は酸化が起こりにくいですし、カルシウムやビタミンDの多い骨も食べれるメリットがありますので、イワシ缶などもチャレンジしてみてください。
食物繊維が豊富に含まれる食べ物
食物繊維は便秘解消に効果があり、腸内環境を整えてニキビケアをサポートをしてくれます。キノコや海藻類、こんにゃく、ゴボウ、サツマイモ、れんこんなどの根菜類に多く含まれています。とくに便秘が原因でニキビに悩んでいる方は積極的に摂取すると良いでしょう。
食物繊維はコレステロールなどの排出も助けてくれるので、脂っぽい食事と合わせて摂るのもおすすめです。
ビタミンAが豊富に含まれる食べ物
ビタミンAが豊富な食べ物には、モロヘイヤ、ニンジン、ほうれん草などの緑黄色野菜やウナギ、鶏のレバーなどがあります。ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、炒め物や揚げ物で調理すると効率的です。
ビタミンAは、美容面で非常に大きな働きを担っています。 それは、肌の生まれ変わりを促進するという効果があります。 28日前後が正常とされる肌の生まれ変わりの周期が守られていれば、ニキビをはじめとした肌トラブルも治癒しやすくなりますし、ニキビ跡に沈着したメラニン色素もきちんと排出されます。ビタミンAは、脂溶性のビタミンで、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。不足すると角質が硬くなって毛穴が詰まりやすくなり、ニキビを引き起こす要因になります。脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると、体内に蓄積されて過剰症を引き起こすため、摂取目安量を守るようにしましょう。脂溶性のビタミンなので、体に蓄積もしてくれますので必ずしも毎日接種しなくても大丈夫です。
ビタミンB群が豊富に含まれる食べ物
ビタミンB群には、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8つの種類があり、互いに助け合って働くため、サプリメントで1種類だけ摂るよりも複数種類のビタミンBを合わせて摂取したほうが効果的です。
その中で特に、ビタミンB2、ビタミンB6は、皮脂の分泌量を適正にコントロールしたり、皮膚や粘膜を保護するはたらきもあることから、ニキビ予防にとてもよいビタミンです。ビタミンB群は、食事から摂取した脂質・糖質(炭水化物)・たんぱく質をエネルギーに変換する重要な働きをしています。そのためビタミンB群が不足すると、脂質や糖質の分解・代謝がスムーズに行われなくなり、ニキビが発生しやすくなります。
そのほかにもビタミンB群は、炎症を抑えたり、免疫にも関わっているため、皮膚の健康はもとより体の健康を保つためにも、バランスよく取り入れたい栄養素です。また、ビタミンB群は水溶性で日々尿の中に排出されてしまうため、食事やサプリメントから毎日取り込む必要があります。
ビタミンB2は主に肉や魚、乳製品、卵などの動物性食品やアボカド・柑橘類・バナナ含まれています。
ビタミンB6は赤身の魚や、ヒレ肉やささみなどの脂が少ない肉類に多く含まれています。 植物性の食品では、バナナやパプリカ、さつまいも、玄米などにも比較的多く含まれています。
ビタミンCが豊富に含まれる食べ物
ビタミンCには美肌に欠かせないさまざまな効果がありますが、にきびに関して言うと、皮脂抑制作用や、ニキビの炎症を抑える抗炎症作用があります。それに、ニキビ跡の炎症後の色素沈着にも効果があります。
ビタミンCを多く含む食品は、赤パプリカや果肉が黄色のキウイフルーツや赤・黄・オレンジピーマンやブロッコリーです。
ビタミンEが豊富に含まれる食べ物
ビタミンEには、3つの作用があります。
人間の脳には脳下垂体という、ホルモン分泌をコントロールする場所があります。ビタミンEが脳下垂体に作用することで下垂体から分泌されるホルモンを一定に保つ役割があり、ホルモンバランスにもアプローチしてニキビが出来にくい肌環境を整えてくれます。ホルモンバランスの乱れ。具体的にいうと、男性ホルモンが過剰になってしまうと、角質層が固くなり、毛穴詰まりが起こりやすくなってしまいますが、ビタミンEは卵巣、脳下垂体に働きかけて女性ホルモンの増加を促す効果があるので、ニキビをできにくい環境にしますに効果があります。
ビタミンEを豊富に含む食品としては、アーモンドなどのナッツ類、また、西洋かぼちゃ、ツナ缶、イワシ缶、アボカド、ウナギ・豚レバーなどがあります。
亜鉛が豊富に含まれる食べ物
亜鉛はタンパク質の合成を助け、皮膚のターンオーバーを促します。また、亜鉛が不足すると、女性ホルモンが不足して、ホルモンのバランスが崩れてしまいます。体内の細胞分裂をサポートして新しい肌を作り出したり、ホルモン分泌の機能を正常化することで、ニキビのできにくい環境にします。亜鉛は牡蠣・牛肉・鮭やエビ、豚レバー、アーモンド、マッシュルームなどに多く含まれます。
ニキビを悪化させる食べ物
カフェインが含まれる食べ物
カフェインが多いと言ったらエナジードリンクとかコーヒーがあります。つまり眠気冷ましによく使われますね?カフェインが多く含まれているものは交感神経を活性化させて、眠らせないようにすると、体が休まらない状態になるのでストレスがかかってしまいます。ストレスを感じると、ストレス対抗ホルモンとして男性ホルモンやコレチゾール、アドレナリンが分泌されてしまいます。これらのホルモンが皮脂の分泌を増やし、ニキビの原因となるのです。
特に男性ホルモンは、皮脂分泌を増やし角質を厚くするため、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの発生や悪化を招くので注意が必要です。またコーヒー自体はGI値は低いですが、コーヒーに砂糖を入れてしまうとGI値が高くなってしまい、ニキビを悪化させることがあります。
脂質が含まれる食べ物
高脂質・高カロリー食はにきびを悪化させる、と言われています。これはなぜかと言うと、皮脂の材料となる動物性脂肪や糖質を摂りすぎると皮脂分泌を高めてしまうためです。さらに、脂質を代謝するのにビタミンB群が使われるので、ニキビをつくる可能性が高くなるのです。脂質が多く含まれる食べ物は、牛リブロース・豚バラ・イワシ・マカダミアナッツなどがあります。
炭水化物(糖質)が含まれる食べ物
日本人としてとても気になるのは白米。
白米がニキビを悪化させるかどうか、かなり議論の分かれるところだと思います。
おそらく白米を食べないように指導する先生はあまりいないでしょうし、現実的にも無理ではないかと思います。「可能なら玄米を取り入れてください」という程度の提案にとどまると思います。
白くて精製されているものはグリセミック値が高い傾向にありニキビの要因になります。
塩分が含まれる食べ物
塩分は、取りすぎてしまうと、実はニキビに良くないです。塩分は体内の水分を奪ってしまう作用を持っており、あまり過剰に摂取してしまうと、角質層の水分を吸い取ってしまい、ニキビが発症しやすい乾燥肌になってしまう事があるのです。加工食品やインスタント食品には塩分が多く含まれているので、なるべく控えめにしましょう。
インスリン様成長ホルモンについて
思春期になると、体はインスリン様成長因子と呼ばれるホルモンを多く作ります。このホルモンが男性ホルモンの生成を引き起こすので、皮脂腺から皮脂が分泌されてしまい、、ニキビを悪化させることがあります。
乳製品にはインスリン様成長因子が多く含まれているので、牛乳を何杯も飲んでいる方は飲む量を控えてみてください。特にスキムミルク(脱脂粉乳)や豆乳はインスリン様成長因子が多く含まれているので飲み過ぎるとニキビになりやすいです。
牛乳にはニキビの原因となる成分が入っていますが、ビタミンやタンパク質・カルシウムといった健康維持に必要な成分が多く含まれています。飲み過ぎないように気をつけていれば大丈夫ですが、慢性的にニキビでお悩みな方は少し減らしてみるのもいいと思います。
チョコレートはニキビに悪いの?
よくチョコレートはニキビに悪いの?と聞かれますが、現在のところチョコレートやケーキや甘い食べ物とにきびの因果関係ははっきりとはわかっていません。一方で、なにか特定の食べ物をとるとにきびがよくなるという話もありません。しかし、チョコレートを食べるとにきびが悪化するという方はチョコレートを控えるようにしましょう。とくに思春期は成長期でもありますので、何かをやみくもに制限することはしないで、バランスの良い食事をとるように心がけてください。
血糖値の上昇がニキビの悪化につながる
食事によるニキビの悪化の原因は2つです。食事により血糖値が上がった結果、血糖値を下げるホルモンが分泌されると…
ですので、食事後に短時間に血糖値が急上昇することを避ければニキビ予防につながるのです。
前述の通り食事後の血糖値の上がりやすさを表すグリセミックインデックス(GI値)という単位があります。これは食事後どのくらいの速度で血糖が上がるかを数値化したものです。
ブドウ糖を100としていて、数値によって高GI、中GI、低GIに区分されています。 高GI食品は血糖値を急激に上昇させるおそれがあるため、できるだけGI値が低い食品を食べるのがおすすめです。血液中の血糖が急に上がるとニキビができやすくなると考えられているので、このGI指数の高い食事で減らすことで皮脂分泌の増加を抑え、ニキビの発生を予防できます。ただ注意していただきたいことは、GI値が低いからと言って、一度にたくさん食べてしまっては血糖値が上昇しますので、適度な量になさってください。
食べる順番を変えてみましょう
食物繊維の多いきのこや野菜、豆類から食べることで血糖上昇を穏やかにします。あとはよく噛んで食べるだけでも、血糖値の上昇が緩やかになりますので、なるべくよく噛むことを心がけてください。その他にも、1日1食とか食事の回数が少ないと、一気に食べることになるので、血糖値が上がりやすくなりますので、食事の回数は規則正しく1日3回にしましょう。
セカンドミール効果とは?
知っておいてもらいたいのが「セカンドミール効果」の考え方です。セカンドは(次の)でミールは(食事)という意味です。それでセカンドミール効果というのは、最初の食べたものが、次に食べたものの血糖値にも影響を及ぼすという考え方で、例えば…いきなり米を食べるのではなく、先に野菜を食べてから、その後にご飯を食べたほうが、食事後の血糖値の急上昇をおさえることができるので、ぜひやってみてください。
ちなみに、食後の血糖値の上がりやすさを表す単位というものがあって、食品ごとにその値が設定されています。この指数の高い食事を減らすことで、皮脂分泌を増加を抑え、ニキビの発生を予防できることが最近わかってきました。血糖を上げやすい食べ物を食べるときは食後の血糖を上げにくい食べ物を多く組み合わせたり、先に食後の血糖を上げにくい食べ物を食べるなど工夫しましょう。
食後の血糖を上げにくい食べ物
食物繊維の緑の多い野菜、多くのフルーツ、にんじん、インゲン豆、ひよこ豆など
食後の血糖を上げやすい食べ物
白米、白いパン、ジャガイモなど
ニキビの隠れた原因を知りたいときに
「どの食事が合わないくてニキビが出来ているのかわからない…」という方は遅延型フードアレルギー検査を行ってみるのはいかがでしょうか?
実は食物アレルギーには2種類あって、「即時型」と「遅延型」があります。食べてすぐに症状がでるものは即時型アレルギーと言って、食べるとすぐに湿疹や痒い・赤みが出てきます。では、遅延型アレルギーとは何かというと・特定の食べ物を食べてから症状がでるのに数時間かかったり、長いと数週間かかってでることもあり、食べてすぐに症状が出ないので、食べ物と皮膚症状に関係性に気づきにくいのです。
結果、本当は自分に合わない食べ物をずっと食べ続けていることがあります。少し食べるだけだと大丈夫でも、食べ物を消化する機能には個人差があるので、その人によって何をどのくらい食べればアレルギーが起こるかはそれぞれなのです。以前、当院でも若い女性の方で、便秘に良いからと毎日ヨーグルトを食べておられた方が、遅延型フードアレルギーでヨーグルトが陽性になり、しばらくや得てみたところ、にきびが劇的に改善した方がおられました。気になる方は一度調べてみてください。
ニキビを作らない為に私が食べ物で意識している事
食べ物では、肉と野菜を適度に取り、偏った食生活にはならないようにしています。あとは、にきびが一つでもできたら、すぐに薬を塗って炎症を抑えて、ニキビの色が残らないようにしています。あとは、その季節に応じて化粧品を変えています。夏はさっぱりしたものを、乾燥を感じたら、夜だけでもしっとりしたものを使うなど、自分の肌と相談しながら化粧品を変えています。
食べ物以外で肌を整えるためにできること
ここまでニキビに効く食べ物や食べ方をメインに説明してきましたが、最後にただを整えるために知って欲しいことをお伝えします。
正しいスキンケア
肌の健康を保つための日常のケア
スキンケアは、肌の健康を保ち、ニキビの発生を防ぐために非常に重要です。日常のスキンケアには、肌の清潔を保つこと、保湿を行うこと、紫外線から肌を守ることが含まれます。適切な洗顔で余分な皮脂や汚れを取り除くことで、毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビの原因を減らすことができます。また、保湿を行うことで肌のバリア機能を維持し、外部刺激から肌を守ります。日焼け止めを使用することで、紫外線によるダメージを防ぎ、ニキビ跡の色素沈着を予防します。継続的なスキンケアは、肌の健康を保ち、ニキビの発生を抑えるための基本です。
肌の構造と機能ー「表皮、真皮、皮脂腺」の役割を知りましょう
肌というのは三層構造から出来上がっていて、表皮、真皮、皮下組織から成り立っています。表皮は一番外側になって、外部の刺激や細菌から体を守るバリアの役割を果たします。真皮はその下にあって、コラーゲンやエラスチンが豊富で、肌の弾力や強度を保つ役割を持っています。皮脂腺は真皮内に位置し、皮脂を分泌して肌を保湿し、柔軟性を保ちます。でも、ホルモンバランスの乱れや便秘・ストレスなどで皮脂がたくさん分泌されると、毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌が増殖しやすくなるため、ニキビが発生しやすくなります。適切なスキンケアでこれらの機能をサポートすることが、ニキビ予防に重要です。
正しい洗顔のポイント
正しい洗顔は、ニキビ予防にとって非常に重要ですが、たまに小学生のお子さんを診察すると、そもそも「朝は顔を洗ってません」と言われます。そんな方には、治療も大事だけど、洗顔からはじめてみようねとお話をします。ぬるま湯や水洗顔だけでも汗やホコリはとれますが、皮脂汚れが残りやすくなります。特に皮脂分泌が多いお子さんの場合は朝も洗顔料を使ってみてください。
では正しい洗顔の仕方はどんなものなのでしょうか?
1. 手を清潔に
まず、洗顔前に必ず手を洗い、手の汚れを落とします。清潔な手で顔を触ることで、肌に余計な汚れをつけないようにします。
2. ぬるま湯で顔をすすぐ
洗顔料をつける前に、ぬるま湯で顔を優しくすすぎます。特に夜はお風呂に入った時にシャワーで一緒に顔を洗うことが多いと思いますが、それでは40度くらいの熱すぎるお湯なので、肌が乾燥してしまいます。少しぬるいと感じる32-34度くらいで洗ってください。ちょっとした工夫がよりよいスキンケアに繋がりますので、意識してみてください。
3. 適量の洗顔料を使用
洗顔料を手に取り、しっかりと泡立てます。泡立てることで、洗顔料が毛穴の奥まで届きやすくなります。泡立てネットを使うと効果的です。
4. 優しく洗う
泡を顔に乗せ、指の腹を使って円を描くように優しく洗います。Tゾーン(額や鼻)など皮脂が多い部分は念入りに、Uゾーン(頬や顎)は優しく洗います。ゴシゴシ擦らないように注意します。
5. すすぎ
ぬるま湯でしっかりと洗顔料をすすぎ落とします。髪の生え際や顎の下など、すすぎ残しがないように丁寧に行います。洗顔料が残ると、肌トラブルの原因となります。
6. タオルで軽く押さえる
清潔なタオルで、顔を軽く押さえるようにして水分を取ります。こすらないように注意し、優しく水分を吸収させます。
7. 保湿
洗顔後はすぐに保湿を行います。化粧水や乳液、保湿クリームを使って、肌に必要な水分を補給します。乾燥は皮脂の過剰分泌を引き起こすため、保湿は欠かせません。
これを毎日続けることで、肌を清潔に保ち、ニキビの予防に効果的です。正しい洗顔方法を身につけて、健康な肌を維持しましょう。
肌質に合った洗顔料の選び方
乾燥肌の方は、しっとりタイプで油分や保湿剤を多く含むものを選んでください。特に油分(ワセリン)やセラミド、ヒアルロン酸を配合した洗顔料は、うるおいを失いにくくします。
脂性肌の方は、さっぱりタイプで泡立ちが良く、洗浄力が高いものがいいのですが、泡立ちの良い洗顔料は脱脂力(脂をとる力)が強くなっている場合があります。配合されている保湿剤や成分もチェックしましょう。
ニキビ予防のためであれば、Sunsoritのスキンピールバーのオススメです。これはグリコール酸1.0%に加え、ティートゥリーオイル・ビタミンA誘導体配合されているので、毎日自宅でピーリング洗顔ができるので、ディフェリンゲルやベピオで刺激があった方も、ディフェリンやベピオが使えてもっと効果が欲しい方もお使いいただけます。固形せっけんタイプの洗顔料ですが、よく皮膚科で取り扱いがあってロングセラーなのも納得です。しかも、洗浄力が高いので、ボディ用としても使えます。
ふわふわの泡を作るにはなかなかの時間と労力がかかりませんか?なので、泡立てるのが面倒…という方は最初から泡で出てくる洗顔フォームを選んでしまえばいいのです。
洗顔の頻度:過剰な洗顔を避ける理由
「よく汗をかくので、何回も洗顔をしたほうがいいですか?」と質問をいただきますが、洗顔はニキビ予防にとって重要ですが、過剰な洗顔は逆効果になることがあります。日本皮膚科学会の2023年版「ざ瘡(ニキビ)治療ガイドライン」によれば、洗顔は1日2回が最も効果が高いとされています。過剰な洗顔は、肌のバリア機能を損なってしまい、乾燥を引き起こします。これにより、皮脂腺が過剰に皮脂を分泌し、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが悪化する可能性があります。また、ゴシゴシ擦ることも肌にダメージを与え、炎症を引き起こす原因となります。適切な頻度で、優しく洗顔することが大切です。
水温の重要性:適切な水温での洗顔方法
洗顔する時の温度に関しても注意してみてください。適切な水温は、先程もお話しましたが、32〜34度のぬるま湯です。これは、ちょっとぬるいかなと感じるくらいの温度です。冷たい水だと、皮脂や汚れを十分に落とせませんし、逆に熱すぎると、肌のバリア機能を破壊し、乾燥や刺激を引き起こします。ぬるま湯を使用することで、皮脂を適度に取り除き、毛穴を開いて汚れを効果的に洗い流すことができます。また、ぬるま湯は肌に優しく、洗顔後の保湿成分の浸透も良くなります。適切な水温での洗顔は、肌のバランスを保ち、ニキビの予防や改善に役立ちます。
洗顔後のケア:保湿とトーニングの重要性
洗顔後のケアは、肌の健康を維持し、ニキビを防ぐために重要です。まず、洗顔後は肌が乾燥しやすくなるため、すぐに保湿を行うことが必要です。保湿は、肌のバリア機能を強化し、水分を閉じ込めて外部刺激から肌を守ります。適切な保湿剤を選び、洗顔後すぐに塗布することで、乾燥を防ぎます。
クレンジング:メイクを完全に落とすことの大切さ
ニキビで悩む方にとって、メイクを完全に落とすことはとても重要です。いくら疲れていても、メイクだけはしっかりと落としましょう。メイクや日焼け止めが毛穴に詰まると、皮脂や汚れが溜まり、アクネ菌の増殖を促進します。これがニキビの原因となります。それに、残ったメイクが炎症を引き起こすことがあります。
では、どんなクレンジング方法がいいのでしょうか?いくつかのポイントを説明します。
適切なクレンジング剤の選択
オイルベースやミルクタイプなど、肌質に合った製品を選びます。ニキビ肌には、ノンコメドジェニックで低刺激のものをおすすめします。
正しいクレンジングの方法
肌に優しいクレンジングの仕方を説明します。
クレンジングのポイント①優しくなじませる
オイル・ジェル・クリーム・・何でもそうですが、皮膚をこすらないように指の腹で優しくすべらせてください。ゴシゴシこすりやすいって方は、力の入りにくい薬指を使ってみていただくと、優しくなると思います。
クレンジングのポイント②落ちにくい化粧の落とし方
ウォータープルーフや落ちにくいメイクをされている場合は、ポイントメイクリムーバーをコットンに出して優しく数秒当てて、そっと拭き取ってください。目尻とかの落ちにくい場所は綿棒をつかうのもいいですね。
クレンジングのポイント③クレンジングの時間
長時間クレンジングをすると、必要な油分まで拭き取ってしまうので、30秒~1分くらいで洗い流しますが、小鼻とかのファンデーションが溜まりやすい場所や生え際や耳の近くは洗い残しが起こりやすいので、そこだけしっかり洗い流してください。
クレンジングのポイント④ぬるま湯でしっかりすすぐ
熱いお湯を使うと皮脂を落としてしまいますので、ぬるま湯がいいです。大体の方が熱すぎるお湯で洗っておられます。触れても温かいと感じない30~33度くらいがいいです。シャワーを直接当てると水圧が強いので、手に取ったぬるま湯で優しくすすぎます。
クレンジングのポイント⑤ダブル洗顔
クレンジング後に洗顔料で顔を洗うことで、残った汚れやクレンジング剤を完全に除去します。
クレンジングのポイント⑥保湿
クレンジング後はすぐに保湿を行います。化粧水や乳液、保湿クリームを使って、肌に必要な水分を補給します。
これらのクレンジング方法を実践することで、肌の健康を保ち、ニキビの発生を抑えることができます。適切なクレンジングを習慣化し、清潔で健康な肌を維持しましょう。
スクラブとピーリングの注意点
スクラブとピーリングは、肌の古い角質を取り除くことで、毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビの発生を抑えるのに役立つケア方法です。しかし、これらのケアはやり過ぎは禁物です。
スクラブ
スクラブは、微細な粒子を使って物理的に角質を取り除く方法です。定期的なスクラブは、肌のターンオーバーを促進し、毛穴をきれいに保つ効果があります。ただし、過度なスクラブは肌を傷つけ、炎症を引き起こす可能性があるため、週に1~2回の使用が推奨されます。物によっては毎日使えるものもありますが、感想を感じたら回数を減らすようにしてください。
ピーリング
ピーリングは、化学的に古い角質を溶かし除去する方法です。サリチル酸やグリコール酸がよく使われます。ピーリングは、ニキビの原因となる詰まりを解消し、肌のトーンを均一に保つ効果があります。ピーリングも頻繁に行いすぎると肌のバリア機能が損なわれますので、初心者や敏感肌の方は、低濃度のピーリング剤から始め、週に1回程度の使用を目安にすると良いでしょう。病院で行う高濃度の物は3週間に1度のペースがおすすめです。
注意点
どちらの方法も肌に負担をかける可能性があるため、使用後はしっかりと保湿し、日焼け止めを忘れずに使用することが大切です。これにより、肌の保護機能を高め、ニキビの再発を防ぐことができます。
スクラブとピーリングを正しく取り入れることで、肌の健康を維持し、ニキビの発生を抑えることができます。自分の肌に合った方法を選び、過度な使用を避けることが重要です。
紫外線対策
UV対策はニキビ治療において非常に重要です。紫外線は肌にダメージを与え、ニキビ跡の色素沈着を悪化させる原因となります。日焼け止めを使用することで、ニキビ跡を薄くすることができます。ニキビがなくなっても、色素沈着が残ってしまったら、きれいな肌にはなりませんので、日焼け度目は毎日つけるようにしてください。日焼け止めの効果を示すのはSPAとPAがあります。
日焼けを起こしたりシミを作るUVBを防ぐ数値、SPFは最高50の表示があり、日焼け止めをつけないときに比べて何倍の紫外線を当てると翌日肌が赤くなるかを示しています。数値が大きいほど、効果が高いです。皮膚の奥まで届き、シワやたるみの原因となるUVAを防ぐ数値、PAは+1から+4までの4段階の表記があります。
よく、「面倒だから数値が高いものを選べばいいのでは?」とおっしゃる方がいますが、それは違います。乾燥肌や敏感肌の方が、数値だけで日焼け止めを選んでしまうと肌に余計な負担がかかって 肌トラブルを引き起こすことがあります。
大人なら、SPF15以上でPA+以上の紫外線防御機能がある日焼け止めであれば、シワやしみなどに光老化を抑えることができます。
あとはニキビをお持ちの方は、ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせない)で、軽いテクスチャーの日焼け止めを選ぶようにしてください。
ただ、重要なのは、塗り方なのです。皆さんここをかなり間違えておられます。日焼け止めって効果が出るのは、「1平方せんちメートルあたり2mgの日焼け度目を肌に塗った場合に効果がある」と定義されています。ということは、この量を濡れてないと、十分に効果が得られないのです。顔の大きさが20センチ×20センチの400平方センチメートルだとすると、顔全体に必要な日焼け止めは2mg×400で800mgつまり0.8gとなります。しかも、顔に塗るときに、絶対少し手についてしまいます。なので、クリーム状の日焼けどめはパール2個以上、液体タイプは1円玉2個以上を顔につけることになります。これ、かなり多いので、べたべたします。
晴れの日だけでなく、曇りの日や室内でも紫外線は存在するため、毎日使用することが大切です。
これらの対策を取り入れることで、ニキビの悪化を防ぎ、健康な肌を維持することができます。正しいUV対策で、肌をしっかりと守りましょう。
十分な睡眠
ヒトのホルモンには朝と夜で分泌バターンが変わるものがあり、睡眠不足や日中逆転の生活などは、ホルモンのバランスが崩れるのでにきびの悪化因子となる可能性があります。また、睡眠不足があると、肌の免疫力や防御力が低下してしまい、ニキビ菌が繁殖しやすくなってしまいます。その他にも皮膚は眠っている間にダメージを修復して、新しい皮膚をつくっています。 寝不足が続くと、修復がうまくいかずにターンオーバーにも影響してしまい、古い角質が残ったままになり、毛穴が詰まるので、ニキビの原因になります。できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
肌にいい習慣はいい健康を作る!
食事に気をつけても残念ながらすぐに効果は出ません。時間がかかるので、気長に続けるのがコツ。なにかだけを食べるとか、絶対に何かを食べないということではありません。自分に取ってニキビができやすい食品を禁食にする必要はありませんが、食べすぎないようになさってくださいね。食生活と同時に生活習慣も改善していてください。
動画でも解説していますので、是非ご覧ください。