こんにちは。皮膚科専門医の玉城有紀です。

そんな経験はありませんか?
今回は、ニキビができる根本的な原因をはじめ、なぜ多くの方が治療を途中でやめてしまうのか、そしてニキビを根本から治すための「医師と患者さんの認識のギャップ」について、皮膚科医が詳しく解説します。
そもそもニキビ(尋常性ざ瘡)とは?なぜできるの?
ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる立派な皮膚の病気で、誰もが一度は経験する可能性のある身近な肌トラブルです。

その主な原因は、「アクネ菌」の過剰な繁殖と考えられています。

アクネ菌自体は誰の肌にも存在する「常在菌」ですが、毛穴に皮脂が過剰に分泌されて詰まると、空気を嫌うアクネ菌にとって非常に住みやすい環境となり、増殖して炎症(赤ニキビ)を引き起こします。

ニキビを悪化させる要素としては、主に以下の5つが挙げられます。
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過剰な皮脂分泌 男性ホルモン(アンドロゲン)の影響で皮脂分泌が過剰になると、毛穴が詰まりやすくなります。思春期はもちろん、成人でもストレスや睡眠不足によって男性ホルモンの分泌が促進され、ニキビの原因となります。
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毛穴の詰まり 古い角質や皮脂が毛穴を塞ぐことで、アクネ菌が増殖しやすい密閉空間を作ってしまいます。
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アクネ菌の増殖 皮脂を栄養源として増殖し、炎症物質を作り出すことで赤く腫れたニキビを引き起こします。
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ホルモンバランスの乱れ 特に「大人ニキビ」の場合、生理前などのホルモンバランスの変化が大きく影響します。
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生活習慣の乱れとストレス ストレスを感じると「コルチゾール」というホルモンや、交感神経を優位にする「アドレナリン」が分泌され、これらが皮脂の分泌をさらに促進してしまいます。
多くの患者さんが「ニキビ治療」をやめてしまう理由
実を言うと、皮膚科を受診して治療を始めても、1ヶ月後に再びクリニックを受診する方はわずか30%程度しかいらっしゃいません。
治療を途中でやめてしまう理由として、主に以下の2つが多く挙げられます。
理由①:期待したほどの効果を実感できなかったから
「すぐに治る」と思って受診される方が多いのですが、ニキビ治療は一朝一夕にはいきません。長期的に塗り薬を根気よく続けないと、根本的な改善には繋がらないのです。

理由②:薬の「副作用」が出てしまったから
現在、ニキビ治療の主流となっている「ベピオゲル」や「ディフェリンゲル」といったお薬には、毛穴の詰まりを改善するピーリング作用があります。しかし、使い始めに乾燥、赤み、ヒリヒリ感などの副作用が出ることがあります。


しっかりとした塗り方の説明を受けないまま自己判断で使用し、「肌に合わない!」とやめてしまう方が非常に多いのが現状です。

💡 副作用を和らげる工夫
これらの副作用は、以下のような工夫で十分に乗り越えられます!
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保湿剤をしっかりと塗ってから、その上に薬を重ねる
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毎日ではなく、数日おき(隔日など)に塗る
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塗る範囲を少し減らしてみる
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顔につけておく時間(洗い流すまでの時間)を短くする
医師と患者さんの大きなギャップ!「点塗り」と「面塗り」
ニキビ治療において、医師と患者さんの間で最もギャップが生じやすいのが「薬の塗り方」です。
抗生物質の塗り薬は、今ある赤ニキビの炎症を抑えるためだけに「点塗り(ニキビの上だけに塗る)」をします。しかし、それだけでは今あるニキビを一時的に治しているだけで、再発のリスクは消えません。
ニキビは「毛穴が詰まる病気」です。一見症状がないように見えるツルツルした部分でも、実は目に見えない毛穴の詰まりが潜んでいます。

多くの医師は「最初は点塗りから始めて、慣れてきたら面塗りに広げてくださいね」と指導しますが、実は約80%もの患者さんが塗り方を変えず、点塗りのまま続けてしまっていると言われています。これが「治らない・繰り返す」大きな原因です。
治療のモチベーションを保つためのサポート
「本当にこの薬で良くなるの?」「どのくらいの期間で綺麗になるの?」 長期間の治療では、先の見えない不安からモチベーションが下がってしまうこともあります。
当院では、同じ薬を使った患者さんの実際の治療経過(お写真や動画)をお見せして、治療の目安をお伝えしています。例えば、ベピオローションを半年間しっかりと塗り続けて見違えるように綺麗になった女の子の経過などもご覧いただき、安心して治療を続けられるようサポートしています。

13歳ニキビ治療結果
まとめ
本日は、ニキビの原因と治療の中断理由、そして正しい薬の塗り方について解説しました。
ニキビは根気よく治療を続ければ必ず綺麗になります。「もう治らないかも…」と諦める前に、ぜひお近くの皮膚科で正しい塗り方の指導を受けてみてくださいね!




