プラセンタは胎盤のことなんです。どんな効果があるかお話しましょう。
お願いします。
みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
今回はプラセンタについて詳しく解説したいと思います。
1プラセンタ
プラセンタって言うのは、日本語でいうと胎盤のことだっていうのは皆さんご存知でした??
胎盤は赤ちゃんをお腹の中で育てるのに妊娠中に臨時で作られた臓器で、胎盤つまりプラセンタとへその緒を通じて赤ちゃんと繋がっています。
赤ちゃんに様々な栄養をプラセンタから送ってあげることで、お母さんのお腹の中で赤ちゃんは成長することができます。
しかも受精卵って0,1ミリで1個の細胞ですが、このたった1個の細胞を10ケ月で60兆個の細胞を持った3kgの赤ちゃんにまで作り上げてくれる驚異的な生命を育むのが胎盤なのです。
想像するだけでもどれだけたくさんの栄養素が入っているかわかりますね。
昭和20年代にソ連で胎盤のかけらを皮下組織に埋め込んで、様々な病気を治していました。
それをきっかけに今のプラセンタの注射やサプリメントが作られるようになりました。
「人の胎盤だなんて気持ち悪い」っておっしゃる方もおられますがでも輸血も人からですよね??
プラセンタが使われるようになって50年以上たちますが、大きな副作用もなく長期に使うことができます。
2有効成分
プラセンタには細胞分裂を促進したり栄養素があるてことは先程ご説明しましたが、どんな有効成分があるのかもう少し具体的にお話します。
様々な活性成分がありますが、細胞増殖因子とインターロイキンに注目したいです。
細胞増殖因子はその名の通り細胞分裂をさせてくれる因子です。
細胞増殖因子は体内にのみ存在し、組織修復のために働きます。
例えば擦り傷や切り傷などケガをした時には、血液や体液とともに傷口に集まって新しい皮膚を作るために働きます。また細胞増殖因子は、ケガだけでなく日焼けやひどい肌荒れの時にも働いて皮膚の生まれ変わりを助けます。
インターロイキンは免疫力を向上させる因子です。
赤ちゃんが元気に健康で生まれてくる理由は、この2つがへその緒を通じてプラセンタから送り込まれるからなのですね。
当たり前ですけど、お母さんのお腹の中で赤ちゃんは食事をとることもサプリメントを取ることもできないのに10ケ月で60兆個の細胞を持つ赤ちゃんに成長するのは、いかにプラセンタからたくさんの栄養素が送られているのかみなさんも想像できると思います。
3効果
何に効果があるのかって言うとたくさんありすぎて、ここで説明できるかなってくらいあります。
基礎代謝向上・自律神経調整・抗炎症作用・内分泌調整・活性酸素除去・血行促進などなど・・・
へその緒って出産すると切られてしまいますが、お母さんのお腹の中ではへその緒と胎盤が繋がっていたから、栄養素がもらって細胞が常に新しい状態で免疫力も非常に高い状態でした。
でも産まれてきてへその緒を切られてしまうと、胎盤から栄養素がストップしてしますのでそこから老化が始まります。
プラセンタを体内に補給するということは、離れ離れになった胎盤をサプリメントや注射とかで再度体に取り込むということです。
4注射の種類
注射はラエンネックとメルスモンの2種類がありますが、どちらも人の胎盤由来で皮下注射か筋肉注射です。
違いは保険適応の違いで、メルスモンは更年期障害・乳汁分泌不全の方、ラエンネックは慢性肝炎の方になります。
適応があるか自費治療なのかはクリニックによって違いますので、お近くのクリニックにお問い合わせくださいね。
5値段
美容効果も高いだけに費用も高くなりがちかと不安な方もおられると思います。
ただし疾患について診断が下りていることが条件となりますので、美容目的での保険利用は難しいです。
健康保険が利用できない場合、1回の注射の料金は2000円~5000円程度でクリニックごとに料金設定が異なります。のみ薬はだいたい1カプセル150円~200円くらいです。
週1の注射だけなら月8000円くらい、のみ薬で毎日2カプセル飲むと9000円くらいかなぁと思います。
6注射と内服
まず注射は即効性はありますが、痛いしクリニックに通わないといけないという手間があります。
即効性はある注射ですが、大体3~4日で体内から消えていきます。
内服薬ですが、だいたい2カプセル内服すると注射1本分に相当すると言われています。
1日2~6カプセルを目安に飲んでください。
7市販薬とクリニックのサプリメントの違い
市場にはたくさんのサプリメントがありますが、残念ですが中身の薄いものがたくさんあります。
アミノ酸やグリシンで薄められています。
一般的にクリニックで取り扱っているものは、内閣府が認定した公益財団法人日本健康・栄養食品協会のプラセンタ企画の基準をクリアした製品です。基準を満たした商品はJHFAマークが入っているか、医薬品に準ずる厳しい条件をクリアしたものを取り扱っていることが多いです。
たとえばメルスモンプレミアムカプセルはプラセンタエキスの純末が320mg含まれています。
ラエンネックPOは350mg含まれています。
8シミへの効果
プラセンタには美白・抗炎症・弾力回復・保湿・活性酸素除去などの効果があります。
シミがどうしてでいるのかって言うと、紫外線を浴びると肌を守ろうとしてメラノサイトがメラニン色素を作ります。
肌はターンオーバーしますので自然にメラニンは排泄はされますが、老化や乾燥によってターンオーバーがうまく行かないと表皮にメラニンが残ってしまい、シミになります。
プラセンタは1個の受精卵を60兆個に分裂させて赤ちゃんにまで成長させることからわかるように、細胞分裂を促進する作用があります。
なので肌のターンオーバーを促して表皮の中にとどまっているメラニン色素を排出します。
だからシミに効果があるのですね。
9シワへの効果
シワができる原因は紫外線や年齢により肌の弾力を支えてくれるコラーゲンが少なくなるからです。
プラセンタはコラーゲンを作る繊維芽細胞に働きかけてくれるのでシワにも効果があります。
10更年期障害対策
加齢による性ホルモンの低下でそれまで保たれてきた心身のさまざまなバランスが乱れて引き起こされる自律神経失調症や精神的な不調(不定愁訴)を、まとめて「更年期障害」と呼びます。
性ホルモンの低下に少しずつ体が慣れて適応できるようになるまで、長い人では数年間もこうした不調が続きます。
特に無理なダイエットを重ねている人、肥満な方、生理不順が強い人、多忙や睡眠不足、ストレスの多い生活をしている人などは、更年期障害そのままの症状が散発的・断続的にあらわれやすくなります。
40代に入れば男女とも性ホルモン減少の影響が次第に強くなりますので、心身の不調から「年齢を感じる」場面も増えてくるでしょう。
体が慣れるよう少しずつホルモンが減少するのではなく何らかの原因で一気に減少すると、心身の調整が間に合わず不調の波が激しくなって更年期障害が起きやすくなります。
なのですぐにエネルギーが補充されたかのように元気になるのです。