ハイドロキノンは確かに肌の漂白剤と言われています。
では今回はハイドロキノンについてお話しましょうか!
お願いします。
みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
肌の漂白剤ともいわれているハイドロキノンですがシミの改善や予防が出来る塗り薬になります。
今回はこのハイドロキノンについて効果や注意点などを詳しく解説したいと思います。
1 ハイドロキノンとは
ハイドロキノンとはイチゴや麦芽、コーヒー、紅茶などにも含まれる天然の成分です。
フィルムを現像する際にも使用され、作業していた人の手が白くなったことから発見されました。
ビタミンCの約100倍の美白効果があると言われています。
海外では古くから化粧品やクリームに使用されていて20年以上の歴史があります。
日本では2001年に薬事法が改正されてハイドロキノンを配合した化粧品が販売されるようになりました。
2 ハイドロキノンの効果
ふつう表皮の中にあるメラニン(シミ)は 肌がターンオーバーすると外に出ていくのでシミは消えていきます。
しかし加齢・紫外線・乾燥などが原因となってターンオーバーが遅くなると、メラニンが沈着してシミになります。
ハイドロキノンにはメラニンの生成を抑える働きとメラノサイトというメラニンを作る細胞の働きを弱める作用があります。
いわゆる茶色いシミに効果があります。
具体的に言うと、日光が原因のシミで30歳くらいからでき始め年齢とともに増える老人性のシミに効果があります。
あとは傷や火傷、虫刺されの後にできるシミの炎症後の色素沈着や肝斑にも効果があります。
3 トレチノインとの併用
肌の漂白剤と言われるハイドロキノンですが、すべてのシミに効果があるわけではありません。
深い部分にあるシミレーザー治療が必要になります。
トレチノインはビタミンA の誘導体です。
肌のターンオーバーを促すことができ、表皮の深いところにあるメラニン色素を外に押し出し、シミの改善をする塗り薬です。
ハイドロキノンを単体で使うよりトレチノインと併用することで浸透効果をアップできます。
トレチノインでメラニン色素を外に出しハイドロキノンで新たなシミの生成を阻害します。
このようにシミをきれいにするにはハイドロキノンとトレチノインの併用が効果的ですが、トレチノインはずっと使用すると耐性が起きて効きづらくなりますので休薬期間が必要です。
4 トラブル対策
・ハイドロキノンの治療初期に皮膚に赤みが出たり、ヒリヒリした違和感が出ることがあります。
これはハイドロキノンの刺激によって引き起こされた症状です。
基本的には1日2回使うのですが、副作用が強い場合は1日1回か2日に1回に使用を減らして下さい。
刺激が気になる方は、先に腕などの目立たない部分に塗ってみてかぶれないかパッチテストをしてからお使い下さいね。
・イドロキノンの濃度が濃かったり試用期間が長い場合は肌が白く抜ける白斑が起こることがあります。
これはハイドロキノンの作用でメラノサイトが刺激を受けた結果、細胞自体が失われてしまうためです。
ただ安心して下さい。
ですから当院を含め、多くのクリニックはだいたい4%のハイドロキノンにしています。
・紫外線対策は必要です。
メラ二ンは本来、紫外線から肌を守る働きがあります。
プールなので強い紫外線を浴びるときは、ハイドロキノンを避けるかしっかり日焼け止めを使うことをことも覚えておいて下さい。
4 使い方
朝晩の洗顔・化粧水の後にシミが気になるところに塗ります。
ハイドロキノンは少しベトベトしているので、残りの部分に乳液をつけることが多いです。
朝は日焼け止めを必ずつけて下さい。
洗顔・化粧水のあとでシミにピンポイントでトレチノインを塗ります。
数分してトレチノインが乾いたらハイドロキノンをつけます。
トレチノインを塗ってない部分から内側に向けて塗って下さい。
飲む日焼け止めを一緒に使うのもとってもおすすめです。
動画でも解説していますので、是非ご覧ください。