それは角質肥厚かもしれませんね。
ターンオーバーの遅れが原因です。
どうしたら治るか教えてください!!
みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
「お肌のターンオーバーが乱れる」というフレーズは一度は耳にされたことがあるかと思います。
どうしてターンオーバーが乱れると肌あれが起こるのでしょうか?
そもそも、ターンオーバーってどういうことなのでしょうか?
今日はターンオーバーについて詳しく説明をしたいと思います。
ターンオーバーと肌との関係性を知って、美しい素肌を目指しましょう!
今日お話する内容です。
1ターンオーバー
ターンオーバーとは新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちるサイクルのことです。
わかりやすく言うと、肌の新陳代謝・肌の生まれ変わりを指します。
ターンオーバーの周期は部位や年齢によって変わりますが、、大体28日程度と考えられています。 皮膚の厚さや血行などが関係しており、顔はほかの部位より早く理想は28日です。
ターンオーバーについて詳しく説明するために、皮膚の構造についても詳しく解説をしてみます。
2皮膚の構造
皮膚は上から表皮、真皮、皮下組織の3つから成ります。
表皮は外側から順番に 角質層・顆粒層・有棘層・基底層という4つの層でできています。
一番下の基底層で生まれた基底細胞(ケラチノサイト)が細胞分裂を起こして角質細胞になるのに14日かかります。
この角質細胞は何層にもなっていますが、14日程度かかって自然に古い角質細胞となり剥がれ落ちるので合計28日という計算になります。
年齢を重ねるにつれてターンオーバーの周期は長くなっていき、20代の頃の周期は理想とされる28日前後ですが、30~40代になると新陳代謝が低下しはじめ40代で約55日、50代で約75日まで延びるといわれています。
このターンオーバーは遅くっても早くても良くありません。
3ターンオーバーが乱れる原因
ターンオーバーが乱れる原因としては、加齢や栄養バランスの崩れなど身体の内側からのものも原因なのですが、外的な影響もあります。
それが紫外線と乾燥です。
肌が紫外線によるダメージを受けたり乾燥したりすると潤いが保てなくなるので、もっと肌表面の角質を増やそうとして早いペースで細胞が作られるようになります。
肌内部を守ろうしてターンオーバーのスピードを速めてくれて頑張ってくれるのですが、十分な時間をかけずに急いで角質細胞を作ろうとするのでその状況で作られた角質細胞の形は整っていません。
出来上がった一つひとつの大きさも不揃いです。
角質細胞の中には天然保湿因子(NMF(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター))を含んでいます。
また剥がれ落ちる機能も低下しているため一定期間が過ぎてもきちんと剥がれることができずそのまま古い角質が肌に残ります。
そのため角質層がゴワゴワと厚くなる「角質肥厚」を起こします。
4ターンオーバーが早まった肌・遅くなった肌
乾燥や紫外線によってターンオーバーが早まるとお肌がどうなるでしょうか?
かゆみ・・ターンオーバーのサイクルが早すぎると未熟な細胞が外気にさらされることになり、乾燥や赤み、かぶれなどのトラブルが起きやすくなります。
更に掻いてしまうと痒みを伝える神経線維が皮膚の表面にのびてきて、わずかな刺激で痒みが出て悪循環になります。
ハリ・弾力の低下・・未成熟な角質細胞は天然保湿因子の含有量が少ないためにうるおい不足により
ハリ・弾力が低下します。
くすみ・・普段は規則正しく整列している角質細胞ですが、ターンオーバーが早まって未成熟な角層細胞が並ぶと皮膚表面の凹凸が激しくなります。
それが光の透過を防ぐ障害物となり、肌がくすんで見えてしまいます。
毛穴が目立つ・・未熟な角質細胞はうまく剥がれ落ちることができず、毛穴の中に剥がれ落ちて角栓を作り、毛穴が目立ってしまいます。
シミが目立つ・・角質細胞の中にはたくさんのシミのもとであるメラニンが含まれています。ターンオーバーが乱れうまく角層細胞が剥がれ落ちないようになると、シミ部分の角層細胞がいつまでも剥がれず皮膚表面に残ってしまい、シミが目立ちます。
では逆に加齢によってターンオーバーが遅くなるとお肌はどうなるでしょうか?
ごわつく・・ターンオーバーが遅くなるということは新陳代謝が悪くなるということです。
なのでいつまでも古い角質が肌に残ることで角層がゴワゴワと厚くなる「角質肥厚」を起こします。
シミが目立つ・・角質細胞の中にはたくさんのシミのもとであるメラニンが含まれています。ターンオーバーが遅くなるとメラニンがいつまで立っても排出されずに古い細胞に蓄積して、シミが目立ちます。
くすみ・・・古い角質の剥がれ落ちるスピードが遅くなり、新しい角質よりもくすんで黒ずんでいる古い角質がいつまでも肌の上に残ってしまうので、お肌がくすんで見えてしまいます。
5整える方法
ターンオーバーは短くても遅くても良くないのですが、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか?
スキンケアの見直し・・洗顔や体を洗うときにタオルでゴシゴシ擦ると摩擦の刺激によって防衛力を高めようとして角質が厚くなります。
また角質層が傷ついてバリア機能が低下しますので、しっかり保湿をしてゴシゴシ洗いはやめましょう。
紫外線対策・・外出時には必ず日焼け止めを塗りしっかり紫外線対策をしましょう。
精神的ストレスを防ぐ・・ストレスがかかると血管収縮による肌の栄養不足や自律神経の乱れ、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、その結果肌の新陳代謝を阻害してしまいます。
生活習慣を整える・・質の良い睡眠をとって栄養バランスのいい食事をすることです。
喫煙や過度な飲酒をすると血液循環や代謝機能に影響を与えることで、ターンオーバーの乱れにつながります。
動画でも解説していますので、是非ご覧ください。