【皮膚科医が解説】抗アレルギー(抗ヒスタミン)薬の正しい選び方!眠くなる理由や強さ、妊娠中の服用について

かゆい(痒い)

みなさんこんにちは!皮膚科医の玉城有紀です。

このブログでは、皮膚の病気や肌トラブルでお悩みの患者さんへ向けて、正しい知識をわかりやすくお伝えしていきます。

今回のテーマは「抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)」です。

「薬を飲むと眠くなるのはなぜ?」「どの薬が一番強いの?」「妊娠中や授乳中でも飲めるの?」など、診察室でもよく聞かれる疑問について詳しく解説します。

そもそも「抗アレルギー薬」とは?

アレルギーの薬といえば、代表的なものが「抗ヒスタミン薬」です。

アレルギー反応が起きると、体内の肥満細胞から「ヒスタミン」「ロイコトリエン」といった物質が放出されます。これが神経を刺激することで「かゆみ」を感じます。

抗ヒスタミン薬は、この肥満細胞から出るヒスタミンの働きを抑えることで、症状を和らげるお薬です。
主な効果
●皮膚のかゆみ
●花粉症によるくしゃみ、鼻水

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なぜアレルギーの薬を飲むと眠くなるの?

「アレルギーの薬=眠くなる」というイメージをお持ちの方は多いですよね。それには明確な理由があります。

実は、ヒスタミンという物質にはアレルギーを引き起こすだけでなく、脳内で「覚醒」「学習」「記憶」を促す大切な働きがあります。

薬によってヒスタミンの働きがブロックされると、これらの脳の働きも一緒に抑えられてしまい、結果として眠気や判断力の低下が起こってしまうのです。

病院でお薬を処方される際に「お車の運転はしますか?」と確認されるのは、この副作用による事故を防ぐためです。


抗ヒスタミン薬の「第1世代」と「第2世代」

抗ヒスタミン薬は、開発された時期によって大きく2つの種類に分けられます。

1. 第1世代(初期に作られた薬)

即効性があり効果も高いですが、副作用が出やすいのが特徴です。

  • 特徴: 脂溶性で脳(中枢)に移行しやすいため、眠気や集中力低下が強く出ます。(※脳内のヒスタミン受容体の占有率が高いほど眠気も出ますが、効果も強い傾向にあります)

  • その他の副作用: ヒスタミン以外の受容体にも働いてしまうため、口の渇き、尿が出なくなる、便秘などが起こることがあります。

  • 注意点: 緑内障や前立腺肥大をお持ちの方には処方できません。

2. 第2世代(第1世代を改良した薬)

第1世代の副作用を軽減するために作られたのが「第2世代」です。

  • 特徴: 脳に移行しにくく(血液脳関門を通過しにくい)、効果が長く持続するように作られています。

  • メリット: ヒスタミン受容体への選択性が高まったため、第1世代でみられた口の渇きや排尿障害などの副作用を減らすことができるようになりました。


【特徴別】第2世代抗ヒスタミン薬の分類

現在主流となっている第2世代の薬にも、それぞれ特徴があります。ライフスタイルに合わせて使い分けることが可能です。

  • 眠気が起こりにくい薬(運転の注意書きなし)

    • ビラノア

    • アレグラ

    • デザレックス

    • クラリチン

  • 1日1回の服用で済む薬(飲む手間を減らしたい方へ)

    • ビラノア

    • デザレックス

    • クラリチン

  • 眠気が強く出やすい薬(お車の運転は控えてください)

    • ザイザル

    • ルパフィン

    • ジルテック

    • アレロック

💡 皮膚科医のポイント 「かゆみが強すぎて夜眠れない」と悩んでいる患者さんには、あえて眠気が出やすい薬を最初から処方して、睡眠をサポートすることもあります。


よくある疑問:「一番強い薬」はどれ?

診察で「とにかく一番強い薬にしてください!」とご希望される患者さんがおられます。

しかし、抗ヒスタミン薬の効果や眠気の出方には非常に大きな個人差があります。

「新しい薬だから良い」というわけではなく、アレルギーの症状自体にも個人差があるため、実際に飲んでみないとわからないのが正直なところです。

眠気や集中力低下が出ないかをご自身で気に留めながら、医師と相談して自分に一番合った薬を探していくことが何よりも大切です。

妊娠中・授乳中に安全に飲める薬

「お腹の赤ちゃんや母乳への影響が心配で、薬を飲みたくない」という方もおられます。

催奇形性(赤ちゃんに影響が出るリスク)が特に心配されるのは妊娠初期の4〜7週ですが、かゆみが辛くてどうしても我慢できない場合は、妊娠中や授乳中でも内服できるお薬を処方しています。

  • 🤰 妊娠中に飲める薬

    • ジルテック

    • クラリチン

    • ザイザル

    • デザレックス

  • 🤱 授乳中に飲める薬

    • ジルテック

    • クラリチン

    • ザイザル

    • デザレックス

    • アレグラ(※授乳中はこちらも追加で飲めます)


まとめ

いかがでしたでしょうか? 本日は抗アレルギー薬について、眠くなる理由から、薬の種類、強さの個人差、そして妊娠・授乳中の服用についてお話しさせていただきました。

かゆみやアレルギー症状を我慢しすぎるのも体にとって大きなストレスになります。ご自身の体質やライフスタイルに合ったお薬を見つけて、上手に付き合っていきましょう。

記事のまとめ
●抗ヒスタミン薬はアレルギーを抑える反面、脳の覚醒作用も阻害するため眠気が出やすくなります

●古い「第1世代」は副作用が強く、改良された「第2世代」は眠気や口の渇きなどの副作用が軽減されています
●第2世代の中には、眠気が起こりにくい薬1日1回の服用で済む薬もあります
●薬の効果や眠気の出方には個人差が大きいため、実際に飲んで自分に合う薬を探すことが大切です
妊娠中や授乳中の方でも安全に飲める抗アレルギー薬がありますので、我慢せずご相談ください
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