【絶対ダメ!】蚊にさされ で腫れや水ぶくれになった場合の対処法、跡が残る原因と治し方について皮膚科医が解説【蚊アレルギー、蚊刺過敏症】

かゆい(痒い)
私、蚊に刺されると水ぶくれになるんです。
玉城有紀
玉城有紀

跡が残らないようにきちんと対処しないとですね。

どうしたらいいんですか?

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

1 蚊にさされ
2 蚊刺過敏症「蚊アレルギー」
3 水ぶくれができる原因
4 水ぶくれができたときの対策
5 蚊にさされて跡になるのか
6 蚊にさされの治療と予防

虫刺されって皆さんも経験されたことありますよね。

虫刺されは蚊・ブヨ・ダニ・ノミ・毛虫・蜂、ムカデ等によって起きる皮膚炎のことで「虫刺症」(ちゅうししょう) と言います。

1 蚊にさされ

虫刺されで一番代表的なのはご存知蚊です。

体長が5ミリほどで国内にいる蚊の種類は約130種類です。

 

 

 

 

庭とか公園ではヒトスジシマカ、室内ではアカイエカに刺されることが多いです。

蚊は皮膚に止まって血を吸うときに唾液を注入するので刺されたところが赤く腫れます。

通常は顔や手足とかの洋服から出ているところをかみます。

血を吸うのは産卵を控えたメスのみです。蚊は普段は草花の蜜や汁を主食としていますが、メスが産卵するときに卵の発達にタンパク質が必要なので動物の血を吸うのです。

蚊の幼虫のボウフラは水の中で成長するので、ジメジメした水たまりや排水溝などから発生します。

 

 

 

 

 

2 蚊刺過敏症「蚊アレルギー」

症状がどのようにでるかはかなり個人差があります。

普通は蚊に刺されても、掻きむしったりしなければ数日でなおります。

しかしたまに、蚊に刺されたところが赤く痒くなる以外に血豆や酷いかさぶたや水ぶくれができてその傷跡が1ケ月以上も残ることがあります。

他にも熱が出たりリンパ節がはれたり下痢がおこったりもします。

 

 

 

 

このような方は「蚊アレルギー」とか「蚊刺過敏症(ぶんしかびんしょう)」ともいわれ、子供に多いかなり稀な病気ではあります。

どうしてこの症状になるかというと、蚊は血を吸うときに唾液を分泌します。

唾液の中には麻酔成分とか血液が固まらないような成分が入っています。体質によってこの成分に過剰反応し、蚊アレルギーを引き起こすと言われます。

3 水ぶくれができる原因

蚊に刺されても通常は2日くらいで自然に治りますが、かき壊してしまうと水ぶくれができてしまいます。

 

 

 

 

水疱は皮膚の細胞が損傷を受け、組織から滲み出てきた体液やタンパク質が皮下に溜まってできます。

靴ずれを起こしたときや細菌感染を起こしたときにできます。

この水ぶくれは、、虫刺されでも起こります。

 

 

 

 

 

どうして虫刺されで水ぶくれが出来るかというと虫の持つ毒液による科学的刺激によって皮膚の細胞が傷つけられるので水ぶくれができます。

他にも虫が吸血するときに注入した成分に対するアレルギー反応、つまり体内に侵入した異物に対する防御反応で水ぶくれができます。

虫刺されによって水ぶくれができるかは、どの虫にさされたかよりは個人の体質によるものが大きいです。

同じ虫にさされても人によって赤みだけ出る人もいれば酷く水ぶくれになる方もいて、症状の出方には差があります。

子供の場合は大人に比べて虫刺されによる症状が強く出やすいのでご注意ください。

4 水ぶくれができたときの対策

水ぶくれができてジュクジュクしているときは消毒はしないでまずは石鹸で洗ってください。

 

 

 

 

痒くてかいてしまうと細菌が起きて化膿してシミや痕に残ったりもしますので、ステロイドを塗ったりかゆみ止めを飲んだりして、炎症をしっかりと抑えましょう。

子供の場合は「かかないで!!」と言っても我慢出来ずに掻きむしってトビヒになったりもしますので、早めにお近くの皮膚科を受診なさってくださいね。

5 蚊にさされて跡になるのか

蚊にさされた場合、多くの方は跡を残さずにきれいに治る事がほとんどです。

しかしかきむしってしまうと、シミのような茶色い色が残ります。

これは炎症後色素沈着と言って、皮膚を修復させる過程でメラニンという色素が沈着してしまうから起こります。

虫にさされたときに炎症後の色素沈着になるのは早く治療をしないからなのです。

炎症後の色素沈着はにきびの跡や日焼け、擦り傷の跡でも起こります。

 

 

 

 

皮膚に炎症が起きると組織が傷つきます。傷ついた組織を修復する過程でメラノサイトが活性化するとメラニン色素が作られ色素沈着になります。

通常は皮膚はターンオーバーによってシミは消えていきますが、消えるのに1年以上かかることもあります。

 

 

 

 

特にかき壊してしまって炎症が長引けば長引くほど、メラニンが表皮から真皮に落ちてしまいってターンオーバーで取れなくなります。そうすると完全にシミとなって残ることがあります。

特に大人になると肌のターンオーバーが遅くなり、痕になりやすいです。

虫にさされたときは炎症を早く抑えるためにステロイドを塗ることが大切ですし、紫外線対策もしっかりしてもらいます。

 

 

 

 

炎症がおきて赤くなっているところに日光を浴びてしまうと、メラノサイトが活発になってさらにシミになりやすくなります。

6 蚊にさされの治療と予防

軽症なら市販のかゆみ止めでも大丈夫ですが、赤みやかゆみが強いときはステロイドの外用やアレルギーを抑える飲み薬が必要です。

ただ、治療は皮膚症状を抑えるだけになります。

原因となる虫が身近にいるとまた刺されてしまいますので、窓を開けたまま寝たりしないで網戸を活用しましょう。

蚊は水たまりや草むらに潜んで吸血する機会を狙っています。

夏場に虫にさされそうなところに行く場合は、長袖、長ズボン、首周りはタオルで覆い、虫除けグッズや殺虫剤を持ち歩くようにしましょう。

 

 

 

 

 

蚊は黒とか紺色の濃い色を好む傾向にありますので、明るめの色の服のほうがさされにくくなります。また水たまりや植木鉢の受け皿に溜まった水から蚊の幼虫のボウフラが発生するので、掃除をするなどして植木鉢から蚊を発生しないように気をつけましょう。

まとめ
・体質によって蚊の唾液に過剰反応し、蚊アレルギーを引き起こすことがある
・かき壊してしまうと水ぶくれができるので注意
・虫に刺されたら石鹸で洗い、ステロイドを塗る
・炎症が長引くと跡が残るので早めに適切な処置をする
・蚊に刺されないような服装、ボウフラの発生しそうな場所をチェックするなど気を配る

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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