

跡が残らないようにきちんと対処しないとですね。

どうしたらいいんですか?
みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
虫刺されって皆さんも経験されたことありますよね。
虫刺されは蚊・ブヨ・ダニ・ノミ・毛虫・蜂、ムカデ等によって起きる皮膚炎のことで「虫刺症」(ちゅうししょう) と言います。
1 蚊にさされ
虫刺されで一番代表的なのはご存知蚊です。
体長が5ミリほどで国内にいる蚊の種類は約130種類です。
蚊は皮膚に止まって血を吸うときに唾液を注入するので刺されたところが赤く腫れます。
通常は顔や手足とかの洋服から出ているところをかみます。
蚊の幼虫のボウフラは水の中で成長するので、ジメジメした水たまりや排水溝などから発生します。
2 蚊刺過敏症「蚊アレルギー」
症状がどのようにでるかはかなり個人差があります。
普通は蚊に刺されても、掻きむしったりしなければ数日でなおります。
しかしたまに、蚊に刺されたところが赤く痒くなる以外に血豆や酷いかさぶたや水ぶくれができてその傷跡が1ケ月以上も残ることがあります。
他にも熱が出たりリンパ節がはれたり下痢がおこったりもします。
このような方は「蚊アレルギー」とか「蚊刺過敏症(ぶんしかびんしょう)」ともいわれ、子供に多いかなり稀な病気ではあります。
どうしてこの症状になるかというと、蚊は血を吸うときに唾液を分泌します。
3 水ぶくれができる原因
蚊に刺されても通常は2日くらいで自然に治りますが、かき壊してしまうと水ぶくれができてしまいます。
靴ずれを起こしたときや細菌感染を起こしたときにできます。
この水ぶくれは、、虫刺されでも起こります。
どうして虫刺されで水ぶくれが出来るかというと虫の持つ毒液による科学的刺激によって皮膚の細胞が傷つけられるので水ぶくれができます。
他にも虫が吸血するときに注入した成分に対するアレルギー反応、つまり体内に侵入した異物に対する防御反応で水ぶくれができます。
虫刺されによって水ぶくれができるかは、どの虫にさされたかよりは個人の体質によるものが大きいです。
同じ虫にさされても人によって赤みだけ出る人もいれば酷く水ぶくれになる方もいて、症状の出方には差があります。
4 水ぶくれができたときの対策
水ぶくれができてジュクジュクしているときは消毒はしないでまずは石鹸で洗ってください。
子供の場合は「かかないで!!」と言っても我慢出来ずに掻きむしってトビヒになったりもしますので、早めにお近くの皮膚科を受診なさってくださいね。
5 蚊にさされて跡になるのか
蚊にさされた場合、多くの方は跡を残さずにきれいに治る事がほとんどです。
しかしかきむしってしまうと、シミのような茶色い色が残ります。
虫にさされたときに炎症後の色素沈着になるのは早く治療をしないからなのです。
炎症後の色素沈着はにきびの跡や日焼け、擦り傷の跡でも起こります。
皮膚に炎症が起きると組織が傷つきます。傷ついた組織を修復する過程でメラノサイトが活性化するとメラニン色素が作られ色素沈着になります。
通常は皮膚はターンオーバーによってシミは消えていきますが、消えるのに1年以上かかることもあります。
特に大人になると肌のターンオーバーが遅くなり、痕になりやすいです。
虫にさされたときは炎症を早く抑えるためにステロイドを塗ることが大切ですし、紫外線対策もしっかりしてもらいます。
炎症がおきて赤くなっているところに日光を浴びてしまうと、メラノサイトが活発になってさらにシミになりやすくなります。
6 蚊にさされの治療と予防
軽症なら市販のかゆみ止めでも大丈夫ですが、赤みやかゆみが強いときはステロイドの外用やアレルギーを抑える飲み薬が必要です。
ただ、治療は皮膚症状を抑えるだけになります。
原因となる虫が身近にいるとまた刺されてしまいますので、窓を開けたまま寝たりしないで網戸を活用しましょう。
蚊は水たまりや草むらに潜んで吸血する機会を狙っています。
動画でも解説していますので、是非ご覧ください。