【間違ったやり方注意!】クレンジング を選ぶポイント と正しい使い方 を皮膚科医が教えます(クレンジングのオイル、バーム、ジェル、ミルク・クリームの違い)

スキンケア
どのタイプのクレンジングが肌に優しいですか?
玉城有紀
玉城有紀

確かにいろいろあって迷いますね。

今日はクレンジングについての基礎知識のお話をしましょう。

お願いします!!

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

クレンジングや洗顔は美肌を保つ【基本のき】ですが、市販だと様々なタイプのクレンジングや洗顔料があるので「今使っているもので本当に合っているのかな??」と思う方も多いはず。

正しくクレンジングをすると肌トラブルを防ぐことができ、肌本来が持っている保湿力を高め、きれいな素肌になれるかもしれません。

 

 

 

 

今日お話する内容です。

1肌のバリア機能
2クレンジングの違い
3選ぶポイント
4洗い方

1肌のバリア機能

皮膚の表皮の一番上にある角層は、水分を保つ機能と外からの刺激がはいってこないようなバリア機能があります。

 

 

 

 

この角層はわずか0.02mmととても薄い層で、イメージとしては食品ラップくらいの厚みです。

この層が皮膚にとってとても重要で、肌のバリア機能において大きな働きをしています。

ホコリや花粉・外的な刺激から、お肌を守ってくれています。

 

 

 

 

 

もうすこし具体的にお話すると、一番外側に「皮脂膜」があります。

汗と皮脂が適度に混じり合った皮脂膜は油で肌全体を覆いながら水分の蒸発を防いで 肌を保護しています。

次に角層細胞の中にある「天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)」です。

天然保湿因子はその半分が肌のうるおいの素でもあるアミノ酸で構成されていて、角質層の中で水分を抱え保持する役割があります。

最後に肌のうるおいを保つ最も重要なカギともいえる「細胞間脂質」です

角質層細胞と角質細胞をくっつける役割をしていて細胞間脂質の半分をセラミドが占めています。

この角質層の主な働きが水分を保つ「保湿機能」と、乾燥・刺激物質・アレルギー物質といった外的刺激要因を防ぐ「バリア機能」の2つです。

間違った洗顔をしてしまい、皮脂膜や角層が傷つくとどうなるのでしょうか?

 

 

 

 

 

まず皮脂膜の油分が減少すると皮膚からどんどん水分が蒸発します。さらにその下の角層まで剥がされてしまうとバリア機能が低下して外的な刺激から肌が守れなくなって、少しの刺激でかゆみや炎症が起こるのです。

2クレンジングの違い

クレンジングはオイル(あぶら)・界面活性剤・水の3つでできていますが、メイクは油でできているので油は油で浮いてきます。

油であるメイクを落とすために油を使いますが、普通油と水って混ざらないのですね。

だから水と油を混ぜる界面活性剤を使って、油で浮かせたメイクを溶かして落とすという構造です。

そして水と油が混ざると白くなります。 

 

 

 

 

 

オイルクレンジングは水は入ってなくてオイルと界面活性剤だけなので、水を入れて乳化せればクレンジングの中に入っている油によってメイクが落ちます。

なのでクレンジングオイルを肌になじませてから水を加えてなじませると白っぽくなります。  

それに対してジェル・ミルク・クリームは油が界面活性剤の膜に取り囲まれて水の中に浮いています。それを肌に乗せてくるくるとしていると、界面活性剤の膜がはじけて界面活性剤の中に入っている油が外に出てきます。

なので多少はくるくる肌の上で馴染ませる必要があります。

このくるくるがうまくできないと、ちゃんとメイクが落としにくく感じる方がいます。

あとミルククレンジングはマイルドで肌に優しいと言われていますが、大体の方ってファンデーションが毛穴に詰まっているのってご存知ですか?

 

 

 

 

肌に凹凸がほとんどないキメが細かくてツルッとしたお肌の方であれば毛穴にファンデがつまらないので、ミルククレンジングのような洗浄力が弱いものでもさっと落ちると思います。

肌に凹凸があったり、毛穴が開いていてそこにファンデが詰まってしまっている場合は、ミルククレンジングだけだと落としきれずに、逆に毛穴に落ちたメイクが洗い流せなくて、肌に負担がかかります。

 

 

 

クレンジングによる肌への負担を心配することも大切ではありますが、しっかりとメイクを落としきれないほうがダメージは大きいのです。

しっかり洗浄できて、肌が乾燥しにくいものを選んでください。

クリームはミルクよりは油を多く含んでいて硬めのテクスチャーが多いかので手のひらで温めてから使ってみてください。

どんなクレンジングを選んでいたとしても、すすいだあとにきちんとメイクが取れているかが一番重要です。

皮膚の表面にメイクが残っていたりすすぎ残しが残っていると、それが刺激になって肌荒れの原因になりますので、しっかりメイクを落とすことを目的に使ってください。

3選ぶポイント

クレンジングはメイクの濃さによって変えるべきです。

 

クレンジングの洗浄成分(強さ)でいうと、オイル・バーム・ジェル・ミルク・クリームの順なので、乾燥肌の人はオイルクレンジングは強いかなと思います。

 肌をゴシゴシしなくても落とせるものを選んでください。

ポイントは2つです。

肌に長時間つけずないこととメイクが乳化して白くなったらぬるま湯でさっと洗い流すことです。

 

 

 

 

 

オイルクレンジングの場合、大体30秒くらいで乳化します。

逆にどれだけこすってもメイクが落ちていなければクレンジングとしての役割不足。

メイクがちゃんとおちているか拡大鏡で確認して、落ちていないならお手持ちの製品を見直したほうがいいです。

 

 

 

 

クレンジングは目に入ると染みてしまうので、しみるのが怖くて目の周りのメイクを落としきれない方がいらっしゃいます。

そうするとのちのち色素沈着になって目周りのくすみにつながるので、クレンジングは目に染みないものを選びましょう。

まつげの際のアイラインや、マスカラもしっかり落ちるものを選んでください。

私はもう10年くらいはお湯で落ちるマスカラを使っていて、できるだけ目周りをこすらなくてメイクが落ちるようにしています。

クレンジングシート旅行中では私も使います。

確かに楽ですが、毎日使うのはおすすめしません。

ついつい肌をこする力が加わるので、肌にダメージが加わりやすいからです。

使う時は、シートに配合されているメイク落としのローションを肌になじませるように数秒肌にの上にのせてからゆっくりと滑らせて拭き取ってみてください。

4洗い方

洗う方法・・・オイル・ジェル・クリーム、何でもそうですが、皮膚をこすらないように指の腹で優しくすべらせてください
ゴシゴシこすりやすいって方は、力の入りにくい薬指を使ってみていただくと優しくなると思います。
ウォータープルーフとか落ちにくいメイクをされている場合は、ポイントメイクリムーバーをコットンに出して優しく数秒当てて、そっと拭き取ってください。
目尻とかの落ちにくい場所は綿棒をつかうのもいいですね。
長時間クレンジングをすると必要な油分まで拭き取ってしまうので、30秒~1分くらいで洗い流しますが、小鼻とかのファンデーションが溜まりやすい場所や生え際や耳の近くは洗い残しが起こりやすいのでそこだけしっかり洗い流してくださいね。

 

 

 

 

すすぐ・・・熱いお湯を使うと皮脂を落としてしまいますので、ぬるま湯がいいです。大体の方があつすぎるお湯で洗っておられます。触れても温かいと感じない30~33度くらいがいいです。シャワーを直接当てると水圧が強いので、手に取ったぬるま湯で優しくすすぎます

拭き取り・・・清潔なタオルで水気を拭き取るのですが、ここでゴシゴシする人が多すぎます。ふんわり包み込むくらいの気持ちで、ご自身の肌を赤ちゃんの肌と思って拭き取ってください。

 

 

 

 

 

まとめ
角質層には水分を保つ「保湿機能」と外的刺激要因を防ぐ「バリア機能」がある
・クレンジングはしっかり洗浄できて、肌が乾燥しにくいものを選ぶ
・ポイントは肌に長時間つけない、メイクが乳化して白くなったらぬるま湯でさっと洗い流す
・肌はこすらない

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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