皮膚科ではシミや肝斑の治療に
トランサミンが使われたりしますね。
それについて知りたいです!!教えてください!
みなさんこんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
今日のお話する内容は皮膚科でシミや肝斑の治療に使われるトランサミンについてです。
目次はこちらです!
1 トランサミンとはどんな薬なのか
市販ではトランシーノとして販売されているので、皆さんも聞いたことがあるかもしれませんね。
「美白成分があるよね」とすぐに頭に浮かぶ方も増えてきてはないのでしょうか?
風邪などでのどが腫れているときや、口内炎ができたときの治療薬として、あるいはアレルギーの薬として病院で処方されることがあるため、服用した人は多いかもしれません。
毎日使う歯磨き粉などの身近なものの中でもいろいろ使われています。
皮膚科でも以前は血管炎とか湿疹などで使われてました。
ちなみに医薬品と医薬部外品の違いは何かと言いますと…
トランサミンは今では肝斑(かんぱん)のシミの治療薬としても皮膚科では内服薬として処方されることが一般的です。
最近ではイオン導入や水光注射などの施術にもトランサミンを配合した薬剤を使われるようです。
2 トランサミンの美白効果について
トランサミンの特徴を理解するにはまず「プラスミン」という物質の働きを知ることが重要です。
トランサミンに美白効果があると言われているのは主に「プラスミン」を中心働きがあるからです。
プラスミンは出血が起きたときに発生する物質で、血液を固める痛い作用や炎症に関わる物質を誘発する作用があります。
メラノサイトが活性化するとシミであるメラニンがたくさん作られてしまうので、シミを予防し改善するためにはプラスミンの分泌を抑えることを重視することが重要です。
紫外線の影響で悪化する一般的なシミや肝斑だけでなく、炎症後色素沈着の予防改善にも効果を発揮します。
3 トランサミンの飲み方
トランサミンは250mgと500mgがあります。朝・昼・晩の1日3回飲むのが一般的です。
毎食後だと飲み忘れる方もいると思いますが、1回忘れたからといって心配する必要はありません。
トランサミンは即効性は期待でません。
じんわりと効果が出るため、効果がよくわからないといって途中でやめてしまう方も多いようです。
時間をかけて肝斑を良くするので、3ヶ月は最低でも内服が必要になります。
紫外線の影響で夏だけ肝斑が変化しやすい場合には、年に数ヶ月程度の短期間の内服だけ内服することもあります。
4 市販薬との違い
クリニックで処方されるトラネキサム酸は「トランサミン」という名前ですが、第一類医薬品として市販もされています。
美白治療としてのトラネキサム酸内服の処方薬と市販薬の違いは1日に接種できる最大量に違いがあることです。
クリニックで処方されると最大2000mgですが市販薬は最大で750mgです。市販薬は処方薬よりもトラネキサム酸の配合量が少なくなっているんですね。
皮膚科や美容外科では各院の先生方のお考えで投与量を決めますが、ほとんどの先生が肝斑治療には1日1500mgで処方しますので市販薬より量が多いですね。
ちまたでトランサミンを内服すると白髪が増えると言う噂を目にすることがありますが、白髪の増加に関しては医学的な根拠やデータはありませんのでご安心くださいね。
シミの治療でトランサミンを内服する世代の方がちょうど白髪が生えやすい年齢なので、そんな噂がでたのかもしれませんね。
5 トランサミンを飲んではいけない方
以下にあげた症状のある方はトランサミンの内服はおすすめしません。
・脳梗塞や心筋血液梗塞の既往がある方
・凝固障害のある方
・静脈腫瘍がある方
・腎不全を患っている方
・ピルを飲んでいる方
・妊娠中の方または妊娠している可能性がある方
動画でも解説していますので、是非ご覧ください。