知らないと損する、「シナール (ビタミンC)」の美白効果 とは?市販と処方薬のシナールの違い、成分ビタミンC・ビタミンB5が美肌にいい理由について皮膚科医がわかりやすく解説

シミ・美肌

 

美白にはシナールがいいと聞きました。
玉城有紀
玉城有紀

そうですね。今日はシナールについての

あれこれをお話しましょうか。

教えてください!!

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

シナールって聞いたことはあってもどんな効果があるのか、どのくらい飲めばいいのか、副作用とか気になるって方もおられると思います。

ということでシナールについて処方薬と市販薬についても徹底的に解説してみたいと思います。

今日お話する内容です。

1シナールについて
2シナールの市販薬

3処方薬と市販薬の違い
4効果が出る摂取量
5副作用

 

1シナールについて

シナールの一番有名な効果は美白です。

 

 

 

 

主には炎症後の色素沈着やビタミンCの補給のために用いられる薬ですが、肌が白くなることから、しろなーる▶シナールと言われているらしいです。

シナールの成分は2つで、アスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミン5)です。

ビタミンCというのは水溶性ビタミンの一種で、ブロッコリーやいちごなんかに含まれています。抗酸化作用・メラニンの生成抑制・コラーゲンの生成効果があります。

パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)も水溶性ビタミンで多くの食品に含まれていて、皮膚や粘膜の正常な働きを助けます。

ビタミンCはパントテン酸カルシウムと同時に内服することで、ビタミンC を単独で内服するより血中のビタミンC濃度が高まると報告されているので、シナールに配合されているのですね。

シナールには顆粒と錠剤がありますが、この2つに大きな違いはありません。

飲みやすい方で構わないということです。

ちなみにシナール配合錠のジェネリックにはデラキシー配合顆粒・シーピー配合顆粒がありますが、成分や効能・効果に違いはありません。

2シナールの市販薬

皮膚科で保険診療で処方されるシナールと同じ成分の市販薬はたくさんありますが、成分の含有量が違います

皮膚科で保険診療で処方されるシナールの製造元はシオノギですが、市販薬でもシオノギが多いですね。

同じ会社、処方薬と市販薬の2つを作っていることになります。

シナールにはアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)が入っていますが、市販薬にはパントテン酸カルシウムが配合されていないものや代わりに他の成分が配合されているものがあります。

では処方薬と市販薬を比較してみましょう。

処方のシナール(シオノギ):ビタミンC1800mg/パントテン酸カルシウム27mg
シナールEXpro(シオノギ):ビタミンC2000mg/パントテン酸カルシウム27mg/ビタミンB2 12mg/ビタミンE30mg
シナールEXチュアブル(シオノギ):ビタミンC2000mg/ビタミンB2 12mg/ビタミンE30mg
シナールLホワイト(シオノギ):ビタミンC1000mg/パントテン酸カルシウム24mg/L-システイン240mg
シナールLホワイトエクシア(シオノギ):ビタミンC1200mg/パントテン酸カルシウム24mg/L-システイン240mg/ビタミンB6 12mg/ビオチン500μg
ファイミンC2000(サンキョウファーマ):ビタミンC2000mg/ビタミンB2 6mg

アスコルビン酸の量が多いのはシナールEXpro /チュアブル/ファミンCですが、パントテン酸カルシウムやLシステイン・ビタミンEなどの配合量が各商品で違うので、一概にどれがいいいとはいえないですね。

このように市販薬にはLシステインやビタミンB2・B6、ビタミンEが含まれています。

・Lシステイン:アミノ酸の一種でシミの原因となるメラニンの生成を抑えて外に出す働きがあり、皮膚のターンオーバーを正常化させるので、シミやそばかすに効果があります。
・ビタミンB2・6:皮膚や粘膜の正常は働きを助けます。
・ビタミンE:抗酸化作用があります。

3処方薬と市販薬の違い

医療用と市販は中身が結構違います。

大きな違いは、市販薬の中には処方薬に含まれているビタミンCの働きをサポートしてくれるパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)が含まれていないことが多いです。

でもその代わりに美白効果のあるLシステイン・皮膚の再生を助けるビタミンB2、抗酸化作用のあるビタミンEが含まれていることが多いです。

 

 

 

 

 

4効果が出る摂取量

継続的に内服を続けると美白効果がありますが、即効性はなくて肌がターンオーバーするのに1ケ月くらいはかかりますので、目に見えるような効果が出始めるのに最低3ケ月はかかります

 

 

 

 

シナールの代わりの市販薬には共通してビタミンCが含まれています。

厚生労働省が推奨するビタミンCの効果的な摂取量は100mgですが、これは疲労回復・ストレス軽減などのために必要な量であって、美容効果を求めるなら、1日1000mg以上は必要になります。

ご注意いただきたいのは、ビタミンCのような水溶性ビタミンは一度にたくさん吸収ができないことです。

体内に蓄積することができないので、成分量が多いものを一気にたくさん飲んでも意味がありません。

たくさん飲めばその分効くというわけではないので、食後に細かく分けてこまめに摂取するやり方が一番効果的です。

 

 

 

 

 

あとは食後に飲んだほうが効果的です。

空腹時に飲むと吸収速度が早いので、過剰摂取したぶんがすぐに排出されやすくなります。食後に飲むことで、ゆっくりと胃から吸収されるので吸収される量が増えるのです。

ビタミンCは摂取すると2時間位で尿に出てきます

ビタミンCは強い還元作用というものがあるので、尿試験紙で反応するはずのブドウ糖・鮮血が陰性になってしまうのです。

 

 

 

 

 

尿試験紙はビタミンCが50~75mg/dl以上ないと反応しないように改良されてはいますが、毎日多量にビタミンCを摂取されている方だと、尿の中にも高濃度にビタミンCが入ってしまいます。

糖尿病の検査や尿中の目に見えない血が検査で見えなくなってしまい見逃してしまう可能性があります。ビタミンCを内服している場合は、検査の2~3日前から内服を中止したほうがいいです。

5副作用

摂取しすぎるとどうなるのでしょうか??

ビタミンCはたくさん摂取しても過剰な分は尿の中に排泄されるので、特別上限は決められていません。

ただあまり摂取しすぎると、胃に不快感を感じたり下痢や腹痛などが起こる可能性があるのでご注意ください。

 

 

 

 

食後に摂取することでこの副作用は和らぐことがありますが、あまり辛いようなら中止してくださいね。

SNSではシナールを飲むと白髪になるなんてデマが書いてあったりしますが、そんなことはありません。

シナールにはメラニン色素の産生を抑える効果があることから「シナールを服用すると白髪が増える」というデマが広まったみたいですが、シナールを飲むことで白髪が増えるという科学的証拠はありませんのでご安心ください。

まとめ
シナールの一番の効果は美白
効果が出るのは3ヶ月後から
・食後に飲むのが良い
・尿検査の数日前からは飲むのを控える

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

自由が丘ファミリー皮膚科 二子玉川ファミリー皮膚科 溝の口駅前皮膚科
  

 

 

タイトルとURLをコピーしました