【皮膚がんの見分け方】こんな「ほくろ」の症状があったら絶対見逃さないで!皮膚癌 の初期症状について皮膚科医が解説【脂漏性角化症、日光黒子、メラノーマ】

できもの
このほくろは癌ですか?
玉城有紀
玉城有紀

心配な方は病院に行くことをお勧めしますよ。でも

癌かもしれないほくろの症状というのはあります。

そうなんですね!ぜひ教えてください♪

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

今日お話する内容は癌とほくろの違いについてです。

1 ほくろとは
2 盛り上がったほくろは悪いもの??
3 脂漏性角化症
4 日光黒子
5 メラノーマ
6 メラノーマが心配なときに注意しておくポイント
7 基底細胞癌
8 有棘細胞癌
9 乳房外パジェット
10 決してやらないで頂きたいこと

テレビで皮膚がんが取り上げられた翌日は「このほくろって癌ですか?」という患者さんが増えます。

心配に感じている患者さんが多いということですね。

本日は皮膚科医がどのようにほくろか悪性の癌かを見分けているかをご説明するとともに、皮膚がんの早期発見を目指すためにほくろとの見分け方を説明します。

1 ほくろとは

ほくろは「母斑細胞母斑」と呼ばれます。

メラニン色素を作るメラノサイトというものが変質して母斑細胞となり、これがかたまってほくろになったものがほくろです。良性のできものです。

 

 

 

 

ほくろは生まれつきのものと後から出来るものがあります。

一部は紫外線の影響で肌に負担がかかってメラニン色素が黒くなってほくろになることもあります。

2 盛り上がったほくろは悪いもの?

ほくろが盛り上がっている事自体は何も問題はありません。

急に大きくなった、出血した、かさぶたができた、ジュクジュクした、色に濃淡差ができたという変化があるときは、悪性の可能性を考えて皮膚を切り取って調べる病理検査をしたほうがいいです。

 

 

 

 

3 脂漏性角化症

「これはほくろですか?」と聞かれるものの中で「脂漏性角化症」いわゆる老人性のいぼがあります。

 

 

 

 

 

ちょっと黒いできもので粘土細工を貼り付けたみたいな見た目です。加齢に伴って増えていきます。

これは悪化して癌になることはありません。

見た目をきれいにしたい方は、液体窒素といってマイナス200度くらいの冷たいもので凍結させて取ることができます。

4 日光黒子

茶色や黒の色がついたもので「日光黒子(別名:老人性色素斑)」というものがあります。

その名の通り加齢によって出来るもので、紫外線が大きく影響します。これは良性のものです。

 

 

 

 

 

5 メラノーマ

ここからはみなさんが心配なさっている皮膚がんについて説明しますね。

皮膚がんにはメラノーマ(悪性黒色腫)以外にも、基底細胞癌・有棘細胞癌・乳房外パジェットなどがあり、一番悪性度が高いものがメラノーマになります。

メラノーマは悪性黒色腫というもので、一番有名でかつ一番悪性度の高い皮膚がんです。

ただ日本人の発症率は10万人に1人か2人と、かなり稀ながんではあります。

日本人は手のひらや足の裏・爪に起こりやすいです。

どうしてメラノーマができるのかはよく分かっていないのですが、紫外線、皮膚への刺激、摩擦や圧迫と言った外的な刺激が関係があり、メラノサイトという皮膚細胞が癌化すると言われています。

 

 

 

形が左右対称ではなく変な形をしていて、急激に大きくなったり出血したりするのが特徴です。

 

 

皮膚科ではダーモスコピーという機械を使って、皮膚を10倍に拡大して見て悪性か良性かを見分けています。

メラノーマは手術で取る方法が最も確実ですが、もし全身にがん細胞が広がって転移している場合は、抗がん剤とか放射線の治療が必要になります。

6 メラノーマが心配なときに注意しておくポイント

メラノーマを疑うポイントは5つあって4つ以上当てはまるときは悪性を疑います。

2つ以下の場合は良性つまりほくろと考えていいと言えます。

:形が左右対称かどうかです。一般的にほくろは左右対称で丸いですが、癌は左右非対称な形をしています。

境界:ほくろはふちがはっきりしていますが、メラノーマはふちがギザギザになっていたり境界がボケていたりにじみがあります。

:ほくろはきれいに均一な色をしていますが、メラノーマは濃淡差があってむらがあります。

大きさ:ほくろは6ミリ以下なのに対し、メラノーマは6ミリ以上あります。

隆起:確かに一部のほくろは隆起していますが、メラノーマは進行して隆起します。

7 基底細胞癌

基底細胞癌は毛を包む組織の毛のうや表皮の一番したにある基底細胞から発生します。

日本人の皮膚がんの中では一番多くて、顔に出来ることが多いので紫外線が一つの原因と言われています。

表面が光沢がかった黒いできものができて真ん中が凹んできます。

ジュクジュクしてだんだん周りの組織を破壊しながら進行してきます。

転移することは少ないです。

8 有棘細胞癌

表皮の有棘細胞が悪化して出来る癌です。

基底細胞癌の次に、発生頻度が高い皮膚がんになります。

これは黒くなくて赤い癌です。

日光角化症といって、最初は赤くて少しかさかさした湿疹みたいなものができます。

数ヶ月以上治らないなと思っているとできものができてきて、これを放置すると有棘細胞癌になります。

日光角化症が有棘細胞癌に変化すると、皮膚が赤くなったところにイボみたいなしこりができジュクジュクして出血したりかなり固くなります。

悪化すると液が出てきて臭いがします。

よく顔に出来るので、紫外線が関係していると言われています。

 

 

 

 

 

9 乳房外パジェット

これも皮膚がんの一種でアポクリン汗腺の細胞が変化して起きるものです。

 

 

 

 

癌という名前はついていませんが癌なのです。

アポクリン汗腺がある肛門の周り、陰部、脇の下が赤くただれてきます。

湿疹に似ていますので発見が遅れやすいです。

発見が遅れると、真皮に入っていきリンパ節に転移することがあります。

10 決してやらないで頂きたいこと

ほくろを触ったり引っ掻いたりしていると悪性化することがあるので、できるだけ刺激をしないようにしましょう。

たまに自分で取ろうとして市販の塗り薬を塗っておられる方がいますが、塗り薬ではほくろは取れません。

変に引っ張ったりするとバイキンが入って膿んでしまい危険ですので絶対にやめてください。

メラノーマ・基底細胞がん・有棘細胞がんは日光が関係すると言われていますので、皮膚がんの予防には必要以上に紫外線を浴びることを避けることが大事です。

 

 

 

 

このほくろは悪いものかも・・と心配な方はお近くの皮膚科を受診してくださいね。

まとめ
・メラノーマが心配なときに注意しておく5つのポイントを押さえておく
・ほくろを触ったり引っ掻いたりして刺激しない
・皮膚がんの予防には必要以上に紫外線を浴びることを避けることが大事

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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