【手汗対策】手汗 を止める方法、手汗多汗症 の原因・治療・おすすめの薬 2選を皮膚科医が解説

症状別
手汗がひどくて恥ずかしいんです。
玉城有紀
玉城有紀

手汗に悩んでいる方は意外と多いんです。今回は

手汗の種類や対処法について解説していきますよ。

よろしくお願いします!

みなさんこんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

今日お話する内容は,日常生活で手汗でお困りな方のため手汗の治療についてお話します。

1汗の種類
2手の多汗症とは?
3保険薬・ハイドローション
4自費の薬・パースピレックス


前回の動画で解説させていただいたた脇汗の薬「エクロックゲル」「ラピフォートワイプ」に続き

2023年に12才以上の方が使える手汗の薬が保険で処方できるようになりました。

今回はそのお薬についてもお話をさせていただきます。

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1 汗の種類

汗は皮膚にある汗腺から出てきますが、汗腺にはアポクリン汗腺とエクリン汗腺の2種類あります。

 

 

 

 

 

エクリン汗腺はほぼ全身にあって運動したときにかく通常の汗で水のようにサラッとしています。蒸発しやすいのでふきとればニオイはあまりきになりません。

暑さや緊張によって発汗します。

この汗はアセチルコリンという物質が関与していて、交感神経の末端からアセチルコリンが放出されるとエクリン汗腺に作用して発汗が促されます。

エクリン腺から出る汗は無臭でニオイの原因となる物質はほとんど含まれていません。

汗が皮膚の表面でアカや皮脂などと混じり合うと、これを細菌が分解することでニオイ物質が発生し臭く感じます。

 

 

 

 

アポクリン汗腺は、限られた部分にだけ存在していて、特に脇の下や陰部に多くあって、思春期になると性ホルモンの影響で分泌が多くなります。

アポクリン腺から出る汗は脂質やタンパク質などを多く含んでいるのが特徴でニオイのもととなる成分を多く含んでいてワキガの原因にもなります。

だからワキガの人はアポクリン腺が大きくて、その数も多く分泌量が多い傾向があります。

 

 

 

 

エクリン汗腺は体温調整をしていて多汗の原因になります。一方アポクリン汗腺は体臭のもととなりニオイの原因になります。

 

2 手の多汗症とは?

日本では5%の方が手汗で悩んでいますので手の多汗は珍しいものではありません。

 

 

 

 

 

14才前後で発症すると言われており、思春期に発症することが多いのが特徴です。

エクリン汗腺からでる手の汗が酷いと…

「握るのが恥ずかしい」

「学校のプリントが汗でしわくちゃになる」

「パソコンやスマホが水分で壊れる」

など学校生活や職場でお困りの方がいらっしゃいます。

 

 

 

 

3 保険薬・アポハイドローション

2023年6月に3割負担の健康保険になったアポハイドローションは、湿布で有名な久光製薬さんから発売されました。

12才以上の方に使えて4週間使用すると52%の方手の汗が半分以下にざっくりと報告されています。

先ほど説明しましたように、アセチルコリンが刺激されるとエクリン汗腺から汗がでます。

アポハイドローションでなんとか汗が止まるかと言うとこのアセチルコリンを遮断して刺激を止めてくれるからなのですね。

使い方は寝る前に使用することをお勧めします。

難点があるとしたら1本が1週間しか持たないことです。

ですから1ケ月4本くらい使うことになります。

1本が2360円なので、3割負担の方でも1ヶ月に約3000円くらいかかりますのでかなり高いですね。

あとは新しい薬なので2024年6月までは1回の診察につき、2本しか処方してはいけないという制限がある薬です。

妊婦、授乳婦の方は使用できません。

抗コリン作用があるので、目に入ると瞳孔が開いて光が眩しく感じたりピントが合いづらくなったりしますので目に入らないように気をつけてください。

5 自費の薬・パースピレックス

実はもう一つ、3割負担の健康保険適応外の手汗だけではなく足の汗も止めるとてもいい塗り薬があります。

 

 

 

 

パースピレックスを使うと主成分の塩化アルミニウムが汗腺に浸透します。そうすると汗を出す管に残っている水分と反応して角栓を作ります。角栓はフタの役割をするので、物理的に密封して汗腺を塞いでしまいます。そうすると一時的に汗が出なくなるのです。

とはいえ角栓は永久ではありません

皮膚のターンオーバーと共に消えてしまうのでまた汗が出てきます。

 

 

 

 

ターンオーバーの周期からすると1週間に2回くらいの使用になります。毎日塗らなくてもいいのですね。

普通の制汗剤だと汗とかでてしまいますが、パースピレックスは手を洗ったりお風呂に入っても効果が続くのでとても楽なんです。

先ほどご紹介したのアポハイドローションの適応は手のみですが、パースピレックスは足にも使えます。

 

 

 

 

 

外回りのお仕事で足の蒸れや匂いが気になる方や今までの制汗剤・デオドラント剤ではスポーツや外出中の制汗効果が薄く何度も塗り直しが必要な方にはパースピレックスがおすすめです。

パースピレックスは健康保険が適用されない商品になります。

1本4000円5000円位で販売されることが多いのですが1本で3ケ月程度持ちます。1ケ月3000円のアポハイドローションと1ケ月1500円のパースピレックスを比較するとコスパはパースピレックスのほうがいいですね。

パースピレックスの使用方法です。

よく乾いた傷のない皮膚に寝る前に塗ります。夜間は汗腺の活動が低下して、角栓が作りやすいからです。効果が出るまでの最初の1週間は毎日使用して、効果が出始めたら週2回の使用でOKです。

パースピレックスの注意点です。

パースピレックスには脇用と手足用があるのですが濃度が違います。脇用は、主成分の塩化アルミニウムの濃度が8-15%なのに対して手足用は25%配合されています。

脇は吸収が手よりいいので手足用を脇に使ってしまうと刺激が強すぎてかぶれたり、赤みが出る可能性がありますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

アポハイドローションとパースピレックスは併用することができます。

しかしどちらとも就寝前に塗ったほうがいいので、塗る時間が被ってしまいます。

もし両方を手に使ってみたいという方は、最初の1週間はパースピレックスの効果が出るまで使ってみます。その後は週2回の塗布で良くなりますのでパースピレックスを使わない日にアポハイドローションを使うという方法で併用できるでしょう。

 

まとめ
・エクリン汗腺は体温調整をしていて多汗の原因、アポクリン汗腺は体臭のもととなりニオイの原因
・手汗の多汗症は14歳前後で発症する
・アポハイドローションは3割負担の方で1ヶ月分約3000円
・パースピレックスは角栓を作って汗腺を塞ぐ作用がある 1本4000円から5000円位だが週2回ほどの使用で良いため3ケ月くらい持つ
・アポハイドローションとパーピレックスは併用可能

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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