【虫刺され】毛虫 に刺された時の症状 と対処法、痕にならない治し方について皮膚科医がわかりやすく解説【毛虫皮膚炎、チャドクガ、イラガ】

かゆい(痒い)
毛虫に刺されてしまって痛いです…
玉城有紀
玉城有紀

きちんと治療を行えば1週間位で症状は落ち着きますよ

よかった!!そしたらどうしたらいいんですか?

みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

1 毛虫皮膚炎の原因
2 毛虫皮膚炎の症状
3 治療と予防
4 痕になるのか

毛虫に刺されたことはありますか?

毛虫の一部にはどくしんもう(毒針毛)やどくきょく(毒棘)とよばれる有毒な毛をもつものがあってそれにより皮膚炎が引き起こされます。

実は毛虫に直接触わらなくても、風で飛ばされてきた毛に触れたり毛が付着した葉っぱに触るだけでも起こりますし、毛虫の抜け殻や死骸にも有毒な毛は付着しているので注意が必要です。

1 毛虫皮膚炎の原因

毛虫とは蝶や蛾の幼虫の中で、毛を持つタイプの幼虫のことです。

毛虫の毛には毒がることがあり、かぶれたり赤くなったり皮膚に症状がでます。

すべての毛虫が毒を持っているわけではありません。

有毒毛を持っている毛虫に触れたときだけ皮膚炎を起こします。

 

 

 

 

有毒毛は毒針毛(どくしんもう)と毒棘(どくきょく)の2種類があります。毒針毛を持つのはチャドクガが有名です。毒棘を持つのはイラガが有名です。

・チャドクガ

 

 

 

 

 

毒針毛を持つチャドクガには長さ0,1ミリ程度のとても小さい釘みたいな針が50万本以上がついています。

それに触れると激しいかゆみと小さい赤いぶつぶつが出ます。

ツツジ・ツバキ・サザンカの庭木にいますので、庭の手入れのときに毛虫に触れて赤いぶつぶつが出ます。

チャドクガは年に2回孵化(ふか)と言って卵がかえりますので、幼虫が発生する5~6月と8~9月が一番チャドクガの毛虫皮膚炎が起こりやすいです。

刺されたところをかいてしまうと肌に刺さった毛虫の毛をさらにこすりつけてしまい広がっていきます。

毛虫皮膚炎で受診される患者さんの中で特に多いのがこのチャドクガ皮膚炎です。

・イラガ

 

 

 

 

毒棘を持つイラガは日本には17種類いますが、すべて有毒です。

毒棘が皮膚に刺さってしまうと毒液が皮膚に注入され、その瞬間にピリピリした激しい痛みと赤みがでます。

桜・カエデ・バラ・くすのきについています。

イラガの幼虫は7~10月に出現します。

2 毛虫皮膚炎の症状

有毒毛に触れた場所を中心に皮膚がピリピリして痛痒くなります。

 

 

 

 

 

基本的には痒いので、かき壊してしまうと水ぶくれになったり痛くなります。

特に子供の場合は「かかないで!」と言っても我慢出来ずに掻きむしってしまい、トビヒになったりもしますので特に注意が必要です。

3 治療と予防

軽症なら市販のかゆみ止めでも大丈夫ですが、赤みやかゆみが強いときはまずは冷やしましょう。ステロイドの外用やアレルギーを抑える飲み薬を飲んで炎症をしっかりと抑えましょう。

特に子供の場合は早めにお近くの皮膚科を受診なさってくださいね。

ただ治療は皮膚症状を抑えるだけになりますので、原因となる毛虫が身近にいるとまた刺されてしまいます。

まずは毛虫に触れないように注意しましょう。

近づかない・触らないことです。

 

 

 

 

 

 

毛虫がいる木には幼虫が葉を食べた跡が残っているので、それを見つけたら近づかないようにしましょう。

たとえ毛虫に直接触れていなくても、毛虫が葉っぱから落ちてきたり風で飛ばされてきた毛に触れたり毛が付着した葉っぱに触るだけでも炎症を起こします

毛虫の抜け殻や死骸にも有毒な毛は付着しているので注意が必要です。

 

 

 

 

毎年毛虫が発生する木が庭にある場合は、予め殺虫剤を散布しましょう。

毛虫に触れてしまった場合は、刺されたところを触らないようにしてガムテープやセロハンテープなどの粘着テープを使って皮膚についた毒針毛を取り除いてから、泡立てた石鹸とシャワーで洗い流してください

 

 

 

 

衣類にも毛が付着していることがあるので、触らないように気をつけて脱いで他の洗濯物とは分けて洗ったほうがいいです。1回で毛が取り切れないこともあるので、数回洗ったほうが安心です。

公園に行く時は夏場は大変だと思いますが、長袖・長ズボン・軍手・帽子・スカーフなどを使って肌の露出を控えて毛虫に刺されないようにしてください

4 痕になるのか

適切に治療を行えば1週間位で症状は落ち着きますので、痕にはなりません。

でも掻きむしってしまうとシミのような茶色い色が残ります。これは炎症後色素沈着と言って、皮膚を修復させる過程でメラニンという色素が沈着してしまうから起こります。

虫にさされたときに炎症後の色素沈着になるのは早く治療をしないからなのです。

炎症後の色素沈着はにきびの跡や日焼け、擦り傷の跡でも起こります。

 

 

 

 

皮膚に炎症が起きると組織が傷つきます。傷ついた組織を修復する過程でメラノサイトが活性化するとメラニン色素が作られ色素沈着になります。

通常は皮膚はターンオーバーによってシミは消えていきますが、消えるのに1年以上かかることもあります。

 

 

 

 

特にかき壊してしまって炎症が長引けば長引くほど、メラニンが表皮から真皮に落ちてしまいってターンオーバーで取れなくなります。そうすると完全にシミとなって残ることがあります。

特に大人になると肌のターンオーバーが遅くなり、痕になりやすいです。

虫にさされたときは炎症を早く抑えるためにステロイドを塗ることが大切ですし、紫外線対策もしっかりしてもらいます。

 

 

 

 

炎症がおきて赤くなっているところに日光を浴びてしまうと、メラノサイトが活発になってさらにシミになりやすくなります。

まとめ
・有毒毛を持っている毛虫に触れると皮膚炎が起こる
・かき壊してしまうと水ぶくれになったり痛くなる
・幼虫が葉を食べた跡がある場合その近辺から離れる
・刺されたらテープで毒針毛を取り、洗い流したら冷やしてステロイドの外用やアレルギーを抑える飲み薬を飲む
・衣類にも毛が付着していることがあるので他のものと分けて何度か洗う

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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