【滑り台って危険!!?】子供の低温やけどの注意点、低温火傷した場合にすぐにできる対処法を皮膚科専門医が解説!

子供の低温やけどはどこで起こるんですか?
玉城有紀
玉城有紀

夏場の公園は危険がいっぱいですよ!今回は特に

特に子供が気をつけるべきやけどを話します。

よろしくお願いします!

みなさんこんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。

今日お話する内容は、意外と知られていないお子さんの気をつけていただきいやけどについてです。

1子供によくあるやけど
2子供の低温やけど
3実際にあった低温やけどのニュース
4やけどとは
5低温やけどの特徴
6対応方法

1.子供によくあるやけど

子供は公園が好きですよね。

親も子供が家の中では飽きてしまうので、外で遊ばせようと思うことでしょう。

しかし危険なことに、夏の日差しで厚くなった滑り台や遊具の金具でやけどしてしまうことがあります!!

 

 

 

 

 

気温が40度だとアスファルトは70度くらいになり火傷します。これは高温やけどです。30度の真夏日だとアスファルトの温度は60度くらいになっています。

 

 

 

 

 

こんな日に裸足で遊んでたら当然やけどします。

特にお子さんの場合は大人よりも地面に近いので感じる暑さもアップします。

夏の滑り台も熱せられた鉄板のように熱くなっています。

目をはなしたすきにうっかりお子さんが滑り台で遊ぶと、取り返しのつかない事故につながることがありますのでご注意くださいね。

一般的に火傷っていうとお湯がかかったとか料理中に火や鍋に触れたとか高温のものに接触したというイメージがあると思います。

 

 

 

 

 

通常65度以上のものに皮膚が触れると瞬時にやけどは起こります。60度なら1分、70度なら1秒触れただけでもやけどしてしまいます。

公園の遊具はシーソー・ブランコ・鉄棒など鉄製の金具が多く使われているので、かなり熱くなります。

35度以上の猛暑日は砂場も70度近くなっていることがあります。

 

 

 

その他にも機械式駐車場の床や車のチャイルドシートも要注意です。

夏でお子さんが熱い遊具でやけどすることは想像できると思うのですが、気をつけなければいけないのは高温やけどだけではありません。

もっと注意したいのが低温やけどです。

夏に低温やけどとはどういうことでしょうか?

2.子供の低温やけど

それほど高くない40度~55度くらいでも長時間触れてしまえばやけどをする場合があります。これを低温やけどと言います。

大体44度なら7時間、55度なら2分くらいで低温やけどを起こします。

実は低温やけどは放っておくと普通のやけどよりも酷くなることがあります。

特に子供の皮膚は薄いので皮膚の奥まですぐに熱が伝わってしまいます。皮膚の面積も狭いので重症化しやすいのがポイントです。

 

 

 

 

すべり台が高温の場合は当然やけどしますが、触ってアツアツまでなってない時でもやけどすることがあります。

摩擦で熱くなり、さらに滑り始めてから滑り終わるまでの長い間皮膚と接していることになるので、高温でなくてもやけどを起こすことがあります。

3.実際にあった低温やけどのニュース

2023年9月下旬、三重県の小学校で運動会で披露する組体操の練習中に15人のお子さんが足の裏の痛みとかやけどの症状がでたというニュースがありました。

 

 

 

 

素足で練習していたから15人中2人は水ぶくれができてしまったそうです。

この日の温度は9月下旬で33度でした。

そこまで熱くないと思っても、軍手・靴下・靴を履くなどの対応に気をつけないといけませんね。

4.やけどとは

低温やけどは60度以下の熱によって引き起こされるものですが、やけど自体は1度・2度・2度と3つに分類されています。

1度:皮膚の一番上の表皮までの軽いやけどで、皮膚が赤くなってヒリヒリしますが傷跡は残りません。

2度:やけどが真皮にまで及んでしまい水ぶくれができて、かなりひりひりした強い痛みが出ます。大体この状態で皮膚科を受診される方が多いです。

3度:やけどが皮下組織まで及んでしまい、神経もダメージを受けて逆に痛みが出なくなります。こうなると治るのに非常に時間がかかり皮膚の移植とかが必要になることがあります。

 

 

 

 

5.低温やけどの特徴

人は熱いものにふれるとすぐに気づくので、熱いものから離れることで対応できます。

低温熱傷の場合は40度から50度くらいのものに長時間触れることでできるので、すぐには気づかないことが特徴です。

数時間同じ場所に当たっていると皮膚の奥の方までじわじわと暖かくなってやけどが広がっていき、予想以上に深いやけどになることがあります。

 

 

 

 

 

低温なのでやけども軽いのでは?と思われがちですが、重症化すると高温のふつうのやけどよりも治りにくくなってしまいます。

最初は浅いやけどに見えても時間とともに深いやけどに変化していくので本当に注意深く診察する必要があります。

低温やけどはすぐだと赤みとか水ぶくれが起きますが、血流が悪いと皮膚が黒ずんでいきひきつれたようになっていきます。

 

 

 

 

 

6.対応方法

低温やけどはじわじわダメージがくるので、気が付かない間に進行していることがあります。

まずは流水で30分間くらいやけどしたところを冷やしましょう。

 

 

 

 

 

冷やすことで痛みや赤みを取り除くことができますし、やけどの進行を遅らせることができます。

水ぶくれのところは破らないで下さい。

そこから細菌が入ってしまうことがあります。

滑り台でやけどした場合は、衣類のうえからであることが多いですが、無理に衣類を脱がそうとすると、皮膚まで剥がれてしまうことがあるので、脱がすことはしないでそのまま冷やして下さい。

少し話がそれますが、子供を夏に外であそばせる時は熱中症にもご注意ください。

大人が30度だと感じてもベビーカーに乗ったお子さんは床から50センチくらいなので、2度くらい温度が高くなり32度くらいになります。

 

 

 

 

 

熱中症になることがあるので、首周り・脇の下を保冷剤で冷やすなども必要です。

お子さんの場合はいろんなことに興味があり、注意力が低く、危険を予測する力がありません。

小さいお子さんの場合は特によく転びます。

夏の暑い日にはマンホールに手をつかないように、涼しいところで遊ばせるようにしてください。

まとめ
・夏の日差しで厚くなった滑り台や遊具の金具でのやけどに気をつける
・子供の皮膚は薄くて皮膚の奥まですぐに熱が伝わるので低温やけどにも気をつける
・やけどした時は流水で30分間くらい冷やし、水ぶくれは破らない

動画でも解説していますので、是非ご覧ください。

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