

紫外線を使った治療ですね。特にアトピーの方に使います。

どんな治療になるか教えてください。
みなさん、こんにちは。皮膚科医の玉城有紀です。
皮膚科には「皮膚がかゆい」という方が受診されます。
治療としてはもちろん塗り薬、かゆみを止めるアレルギー剤の内服も有効です。
しかし「光を浴びる」という治療についてご存知でしたか?
アトピー性皮膚炎をお持ちの女性の方で手湿疹が悪化されている方が多いです。
水仕事や家事で荒れてしまうからです。
手の湿疹は日常生活にかなり影響が大きくて多くの方が
「痒みがつらい」
「あかぎれが痛い」
「見た目が悪いので手を人前に出すのが恥ずかしい」
とおっしゃいます。
そんなときに「光線治療はご存知ですか?」と伺うと「知らないです」と言う方がとても多いです。
今回は意外に知られていない「光線療法」について徹底的に解説をしたいと思います。

1紫外線
まず紫外線は皮膚に及ぼす影響としてはいい点と悪い点があります。
いい点はビタミンDの合成です。
紫外線をある程度浴びることは健康を維持するために必要で、紫外線を浴びることで体内でビタミンDが作られます。
ビタミンDは、食物からのカルシウム吸収を促し血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあります。
また骨格を健康に維持するのに役立つので、骨粗鬆症を防ぐためにビタミンDは必須です。
紫外線の量は季節や場所、時間帯によっても変わりますが、1日に必要な日光照射時間は夏であれば15~30分程度です。
紫外線の悪い点はシミが出来たり、紫外線による癌が起こりやすくなることです。
例えば、日光角化症・有棘細胞がん・基底細胞がん・メラノーマが起こりやすくなります。

2光線治療
ある波長の紫外線を皮膚にあてて病気を治すという治療があります。
治療機には2つあって、全身型のナローバンドと局所型のエキシマがあります。
ナローバンドは311nm・エキシマは308nmを当てるので、この2つは3nm(ナノメートル)しか変わりません。
「紫外線って体に悪いんじゃないの?」て心配な患者さんもおられますので
「紫外線の悪いところをカットした上質な紫外線だけを浴びてもらいます。」と説明しています。
全身にかゆみを感じていたら日焼けマシーンみたいな全身が入るナローバンドを使い、局所だけ痒いときは局所型のエキシマを使います。
3どんな病気に使うか
もっとも多いのがかゆみを取りたいアトピー性皮膚炎の患者さんです。
あとはステロイドを使いたくない方や、妊娠・授乳中で抗アレルギー剤の内服をしたくない方は光線療法をご希望されます。
その他にも掌蹠膿疱症・円形脱毛症・尋常性乾癬・色が白く抜ける病気の白斑・痒みがとれずに皮膚が固くなってしまった痒疹・手湿疹にも効果がある非常に優れた治療機なのです。
かゆみが強い方はお薬があっても「今日は光だけ当てたいです」と通われる方も多いです。
かゆみが取れてきたら、月1回とかたまに照射すればかゆみが抑えられます。
4かゆみに効くメカニズム
では光線治療法ってどうしかゆみが取れるのでしょうか?
光線療法の波長はUVBなので真皮上層までがターゲットです。
痒みを伝える神経線維はもともとは真皮の中に存在しているのですが、アトピーやかゆみをお持ちの方はかゆみを伝える神経が表皮まで伸びています。
光線治療をすると伸びてしまった神経線維に働きかけてもとに戻してくれるからかゆみがとれます。
痛みもなくかゆみが取れるし、ステロイドの量やランクを減らすことができますのでよい治療です。
ずっと全身のアトピーでお悩みな方の中には、薬を塗っても無駄な感じがして塗るのが嫌になってしまう方がいます。
かゆみが楽になると塗り薬を使う気力が出てくる方もいてどんどん良くなっていかれます。
5治療期間
本当に目安だけのお伝えにはなってしまいますが、以下を参考にしてみてください。
・週2回当てた場合尋常性乾癬、円形脱毛症は10回目から効果が出始め30回くらい必要。
・掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎は3~10回から効果が出始め20回くらい必要。
・白斑は10回目から効果が出始め30~50回くらい必要。
動画でも解説していますので、是非ご覧ください。